Lv.-19 雨

 レベル2。今日は朝から雨が降っていた。


「この世界も雨が降るんだな……」

 昨日のダンスで身体中の筋肉が悲鳴を上げていることもあり、朝から城でまったりしていた。

「そういえば、ここのところは雨が降りづらかったですね」

「瘴気が多いと天候にも影響があるかもと魔導師団長が言ってました」

「あの爺さんかぁ、昨日も延々話につきあわされたが、まあ、他の貴族連中と話すよりは面白かったな」

 舞踏会ではミナとアイギスとなんとか踊った後はなるべく目立たないように黙々と食事をしていた。

 そして、同じく黙々と食べていた魔法師団長に捕まったのだ。


「昨日の舞踏会はしっかりと勇者様をガードできましたし、私としても内外にバッチリとアピールできましたから成功でした」

「私もです。家の方も完全にだまらせましたから」

 完全に外堀が埋められている気がする。


「……しかし、良かったのか? 俺は明後日にはどうなるかわからない身だぞ」

「私達は貴方に添い遂げると決めてるんです。たとえ世界が違ったとしてもです」


「そうか、そうだな。残り短い時間かもしれないが、楽しむってことで出かけようか」

「ええ!」「はいっ!」










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