第68話 この男の子は知りませんか?

 無事にウェンディと弟たちを、奪還するのに成功すると…

ぷぃっとティンカーベルは、明後日の方向へ飛んで行く。

「ティンク!ありがとう」

その小さな背中に向かって、ピーターが叫ぶと、ティンクは無言で、

金色の粉を盛大に、ぶちまけた。

ハークション!

どうもアキは、この金粉がアレルギーのようだ。

それでも、ピーターたちの側に近付くと、

「あのぉ~ケイタという男の子を、探しているのですけど~」

早速助け出された、ウェンディに向かって、聞き込みを開始した。


「ユニコーンに乗った男の子?

 さぁ~知らないなぁ」

 ようやくピーターの家で、くつろいでいると、ウェンディはじぃっと、

アキの突き出す、スマホの画面をのぞき込む。

もちろん、ここは圏外なのだが、写真を見る分には困らない。

大口を開けて、肉まんを嬉しそうに頬張るケイタの写真を眺めると、

「なぁに、これ!

 ずいぶん、きれいな絵ねぇ」

ウェンディは目を真ん丸にして、珍しそうに、画面を見つめる。

「そうかぁ」

なにやらショータは納得したように、つぶやくと…

「ピーターの世界ではね、まだ携帯がないんだよ」

アキに説明をする。

「あっ、そうかぁ」

カガリは、納得したようだ。

「だったら…どこへ行ったら、いいんですか?」

アキはウェンディに、食い入るような目で、尋ねた。

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