第64話 いちにいさんで、捕まえろ!

「そうはさせるか!」

 フック船長が、アキを捕まえようと、手を伸ばす。

「ちょっと!アキちゃんに、さわらないで!」

ドン!とカガリが、体当たりをする。

「おい!何をするんだ」

今度はユウジが、フック船長の胴にタックルをする。

「よぉーし、ボクも!」

ショータも、船長の足を押さえる。

「おい!何をするんだ、離せ!」

船長はブンブンと、かぎ爪のついた腕を振り回す。

「みんなぁ~イチニイサンで、捕まえるわよぉ!」

アキが声を張り上げる。

そうして思い切り足で、船長の剣を蹴り上げる。


「行けぇ~!」

 カガリも一緒になって、船長の腕を取り押さえると、体当たりで

飛び掛かる。

「おい!チビども!やめろ!」

さすがに、同時に四人もの子供たちに飛び掛かられたら、たまった

ものではない。

ズデーン!

看板に倒れ込み、一気に押さえつけられる。

「おい!ロープだ、ロープを早く!」

ショータが叫ぶ。

「おーい、フック船長~

 お前の大事な帽子が、ワニに食べられるぞぉ」

 楽しそうなピーターの声が、響いてくる。

「なんだとぉ!」

船長は腕を振り回して、どうにか子供を払いのけると…

一目散に、ピーターのいる船の舳先へと走って行った。


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