第57話 ピーターって、あのピーター?

 それにしても、見れば見るほど、絵本のピーターパンにそっくりだ。

カガリもじぃっとピーターを見ると、アキの袖を突っつく。

「ユニコーン?」

ピーターの手が、ピタッと止まる。

「キミたち、まさか、あのメリーゴーランドに乗ったのか?」

さっきとは、ずいぶん反応が違う。

妙にソワソワしているようだ。

何か、あるのか?

「えぇ、そうなんだけど…」

アキはイヤな予感がして、カガリを振り向く。

「そうなのかぁ~乗っちゃったのかぁ」

大げさなくらいに、ピーターは大きく天を振りあおぐ。


「ちょっと、さっきから…何をゴチャゴチャ言っているんだよぉ」

 黙っていられなくなったのか、ユウジが口をはさむ。

「あっ」

ピーターは、初めてユウジの存在に気が付いたようで、

「キミは、だれ?」

ジロジロとユウジを見る。

(何なんだ?

 女の子のことしか、目に入っていないのか?)

思わずユウジは、ムッとする。

するとアキが、スッと前に出ると

「この人たちは、私の友達!

 私達…招待状をもらって、ここに来たのよ」

あらためて、アキがそう言う。


 ピュン!

いきなり金色の妖精が、アキの目の前をすり抜ける。

「おい、ティンク!

 ヤキモチを焼くな!

 この人たちは、友達を探しに来たんだよ」

そうだよな?

ピーターは、アキに確かめるようにそう聞いた。

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