第57話 ピーターって、あのピーター?
それにしても、見れば見るほど、絵本のピーターパンにそっくりだ。
カガリもじぃっとピーターを見ると、アキの袖を突っつく。
「ユニコーン?」
ピーターの手が、ピタッと止まる。
「キミたち、まさか、あのメリーゴーランドに乗ったのか?」
さっきとは、ずいぶん反応が違う。
妙にソワソワしているようだ。
何か、あるのか?
「えぇ、そうなんだけど…」
アキはイヤな予感がして、カガリを振り向く。
「そうなのかぁ~乗っちゃったのかぁ」
大げさなくらいに、ピーターは大きく天を振りあおぐ。
「ちょっと、さっきから…何をゴチャゴチャ言っているんだよぉ」
黙っていられなくなったのか、ユウジが口をはさむ。
「あっ」
ピーターは、初めてユウジの存在に気が付いたようで、
「キミは、だれ?」
ジロジロとユウジを見る。
(何なんだ?
女の子のことしか、目に入っていないのか?)
思わずユウジは、ムッとする。
するとアキが、スッと前に出ると
「この人たちは、私の友達!
私達…招待状をもらって、ここに来たのよ」
あらためて、アキがそう言う。
ピュン!
いきなり金色の妖精が、アキの目の前をすり抜ける。
「おい、ティンク!
ヤキモチを焼くな!
この人たちは、友達を探しに来たんだよ」
そうだよな?
ピーターは、アキに確かめるようにそう聞いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます