第52話 今度はどこ?

「あっ、そろそろ下りるみたい」

 外を眺めていたカガリがつぶやく。

「ねぇ、何か見える?」

アキが隣を飛んでいる、ユウジに聞く。

「う~ん、何か、建物が見える」

「今度はなに?」

アキも目をこらして、前方を見つめる。

丁度、木が視界を遮って、よく見えない。

「ケイタの姿は見える?」

「いや、見えない」

ずいぶん、森の奥の上空を飛んでいるけれど…

ここは、どこだろう?

ザザッと枝をかき分けて、下へと向かって行く。


 クスクス

 クスクス

森の中から、声が聞こえる。

「なに?」

「誰だろう?」

アキたちは、誰かに見られているような気がして、何だか

落ち着かない。

 ケイタの乗ったユニコーンの姿も、どこにも見えない。

まずは、ドラゴンに乗ったユウジが、一番に着地した。

こわごわと、辺りを見回すけれど、人の気配はどこにもしない。

ただ…煙突から、煙がモウモウと立ち上る、古ぼけた家が目に入った。


「お~い」

 ユウジは、アキたちに向かって、手を大きく振る。

「こっちだぞぉ~」

バサバサ…

ペガサスが、その方向目掛けて、突っ込んで行く。

そうしてドラゴンの隣に下りると、ストンとショータもすべり降りる。

「大丈夫みたいね」

アキがカガリの方を向く。

「うん」

カガリは、ギュッと唇を嚙みしめる。


 ここは、遊園地の敷地内なのだろうか?

パッと見だと、表示がないので、何もわからない。

「さっきの笑い声…何だったのだろう?」

ここも何かの、アトラクションなのか?

アキはカガリの手を、ギュッと握って、ショータたちの側に近づいた。

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