第51話 生きているメリーゴーランド?

「でも、このメリーゴーランド…

 本当に、こういう乗り方をするのかなぁ?」

 しかも、こんな乗り方をしていて、本当に大丈夫なのだろうか?

急にアキは、不安になる。

(まさか…誰かが、操っているんじゃあないでしょうね?)

そう考えて、辺りを見回す。

「そういうもんじゃない?

 だって、遊園地のメリーゴーランドって、勝手に動いているだろう?」

不安がるアキとカガリを、安心させようと、ユウジが軽い調子でそう言う。

「そうなのかなぁ?」

だが、納得したわけではない。

「だってさぁ、ここって、何でもありの場所だろ?

 あのカボチャだらけの、幽霊屋敷だって」

冷静な顔をして、ショータもそう言う。

 彼が言うと、何だか説得力がある。


「そう言われれば、そうかも」

 アキの隣で、カガリがそう言う。

「となると…もしかしたら、やっぱり、あのカブ頭がからんでいるのかも

 しれないなぁ」

ショータが、メガネのツルに手をやる。

このポーズを取る時は、たいてい何かを考えている時だ。

「一体ケイタは…どこまで行ったんだろ」

ポツンとアキがそう言う。

「ま、ケイタのことだ。

 全然ヘッチャラで、逆に楽しんでいるさ」

ユウジが笑いながら、そう言う。

「それは、確かにそうだ!」

ショータも、ニヤリと笑う。

「アイツって、ホント、自由人だからなぁ」

「付き合わされるこっちの身に、なってくれよな」

そんなことを、互いに言い合っていると…

フワリとカボチャの馬車が、進路を下に向けた。


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