第49話 ユニコーンにのって

(あれ?暖かい…)

 一瞬、へっ?と思うけれど…

それよりも先に、ユニコーンが柱から離れると、フワリと舞い上がる。

「え~っ!すごい、すごい!

 ねぇ、どうやって飛ぶの?」

ケイタは驚くよりも、嬉しそうに手を叩いてはしゃぐ。

「キミ、しっかりと捕まって!飛ぶよ!」

ユニコーンがそうひと声かけると、大きく足を踏み出す。


「あっ、ちょっと、ケイタ!」

 いち早く気付いたのは、カガリだ。

「なに?」

「ケイタが、ユニコーンと、しゃべってる!」

「えっ?」

そんなバカな!

アキはカガリを見る。

「そんなことよりも、ほら!」

ショータが血相を変えて、宙を指差す。

「ケイタが…さらわれる!」

「えっ?」

アキはあわてて、ショータの指差す方を見る。

すると、メリーゴーランドからユニコーンが離れると、フワリと

舞い上がるところだった。

「うわぁ~」

ケイタはひたすら、楽しんでいるようだ。

「ヤバい」

ショータが叫ぶ。

「こうしちゃあ、いられない。追いかけるぞ!」

ショータは、アキたちに声をかける。

「えっ?でも、どうやって?」

アキが、ショータの方を向く。

 そうしている間にも、みるみるケイタの姿が、小さくなっていく。

「それは…決まっているだろ?」

ショータは、ニヤリと笑う。

「ボクたちも、同じ方法で追いかけるんだ!」


 そう言うと、いち早く目の前のペガサスに飛び乗る。

「え~っ!」

「はやく!」

カガリちゃんも、はやく!

ユウジが、カガリの手を引っ張る。

「う、うん」

こわごわとカガリは、残るメリーゴーランドの乗り物を見つめた。

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