第48話 不思議なメリーゴーランド

「ひゃあ、すごーい!」

 ケラケラと笑いながら、ケイタはその光の粒を捕まえようと、

走り回る。

「なんだ、子供だましだなぁ」

ショータは、クールな顔をして、そうつぶやくと、腕組みをして

見守っている。


 入場門をくぐり抜けると、まっすぐに、大きな道が続いている。

まるで万華鏡のように、鮮やかな光を放って、メリーゴーランドが

くるくる回るのが見えた。

「へぇ~何か、きれいだねぇ」

見たこともない、メリーゴーランドだ。

馬の代わりに、ユニコーンや、馬車が回っていて、真ん中が鏡では

なく、複雑な模様を描いている、ツリーのようなものが、突き出している。

「へぇ~」

またもケイタが、それに気が付くと、一目散に突進していく。

「ボクは、これ!」

一番大きなユニコーンに、飛び乗ると

「こんにちは!」

どこかで、声がした。


「こんにちは!」

 ケイタは少しも、驚く風も見せず、元気よく答える。

「キミって、すごいなぁ~

 AI?ロボット?

 木馬も、しゃべるんだなぁ」

さして疑う様子も見せず、はしゃいだ声を上げる。

「しゃべるだけじゃあ、ないんですよ」

ユニコーンは、ふいにクルリと首を回すと、ケイタに向かって、にぃっと

口を大きく開く。

「へぇ~すごいねぇ!

 キミ、他に何が出来るの?」

ポンポンと、ユニコーンの首の辺りを叩いた。

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