第47話 招待状をお忘れなく!
「何か、あるのかなぁ」
ケイタが目を輝かせて、キョロキョロと落ち着きのない様子を
する。
「ケイタは、黙ってて」
アキは、彼の頭を押さえつける。
さっきまで、延々と続く森の中だったのだが、いきなり入場門
が現われる。
「ほらね、リンゴの木!」
ウソじゃないだろ、と嬉しそうにケイタが、木を指差す。
さっきケイタが上ったという、リンゴの木が、赤い実をつけている。
「あれ?リンゴって…」
ショータが何かに気が付いたように、眉をキュッとひそめる。
だが、カフはそれを無視するように、
「お客様、6名様、ご案内~」
トントンと、アキの背中を押した。
白いゲートを抜けると、広いエントランスが広がっている。
「へぇ~こんな森の中に、こんな大きな遊園地があったのかぁ」
ポカン…と、ユウジが口を開ける。
「あのぉ~チケットは?」
隣を歩くカフに、アキは尋ねる。
「ところで、キミ…招待状を持って来ただろ?」
カフはクルリと、アキの方を向く。
「あっ、それは、もちろん」
もし間違いだったら困るので、念のため、カバンに忍ばせている。
「なら、いい。
それ…絶対に、なくさないでよ」
やけにハッキリと、カフがアキに向かって、そう言う。
「はい」
大して何も書いていない招待状に、何か意味があるのか?
アキは一瞬、顔をしかめる。
その時いきなり、まばゆいばかり光の渦が現われ、目を刺し貫かれる。
「うわぁ~」
ディズニーランドでいうところの…エレクトリカルハレードの
パクリのような、鮮やかな装飾を施された、光の車が、にぎやかな音楽を
奏でて、アキたちを出迎えている。
「ようこそ、ファンタジーランドへ!」
パァーン!
花火が、宙で何発も打ち上げられる。
すると、キラキラと光の粒が、スパンコールをまぶしたように、舞い降りて来た。
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