第46話 お客様第一号

「へぇ~吸血鬼のお仲間かぁ」

 トンと、カフがツヨシに近づく。

ツヨシは細長い体を、ペッタンコになるくらい、身を縮める。

そんなツヨシを見ると、

「中々、ユニークなメンバーだなぁ」

ヘラヘラと笑う。

「別に、いいじゃない!」

ムッとして、アキがカフに言い返す。

「何だったら、ホラーハウスにでも、バイトする?」

キミだったら、歓迎するよぉ。

ケラケラ笑いながら、カフはツヨシに近寄って、下から顔を

のぞき込む。


「ホラーハウスがあるの?」

 早速ケイタが、食いつく。

カフはピョコンと、ケイタに近づくと、

「そうだよ!

 だって、ここは、遊園地なんだから!」

確かに、吸血鬼のツヨシならば、お化け屋敷にはピッタリだ。

「あっ、なるほどぉ」

やけに素直に、ツヨシがうなづくので、

「納得しなくても、いいんだってば!」

トン!とアキは、ツヨシを押しのける。

そうして、彼の前で仁王立ちになると、

「ちょっと、カフ!

 余計なことを、口出ししないで!」

声を張り上げる。

こんな純粋で、おとなしい吸血鬼って、ホントにいるの?

アキは急に、彼を守らなくちゃ、というスイッチが入る。

「あら、そう?」

面白い、と思ったのになぁ~

カフはピョコンと、頭を下げる。


 その時、突然ファンファーレが、鳴り響く。

「はい!記念すべきお客様第一号、ご案内~」

居住まいを正して、カフが声を張り上げる。

「えっ、第一号?」

ウソだろ?

子供たちは、一斉に顔を見合わせた。

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