第43話 新たな仲間

 パンパンパン!

その時いきなり、破裂音が響く。

「おっ、始まったか?」

アキの気がそれたのをいいことに、ケイタがはしゃいだ声を出す。

「なに?花火?」

アキが空を見上げると、

「やぁ、君たち!」

いきなり誰かに、話しかけられた。

「だれ?」

アキはたちゅまち、キッとした表情になり、辺りを見回す。

すると門の脇に、人が立っているのが見えた。

 ますますアキは、警戒した顔になる。

「あれじゃない?

 ユー子さんの知り合い」

カガリは、助け舟を出すように、アキにささやいた。


「えっ?このタイミング?」

 アキは、けげんな顔になる。

てっきり、ユー子さんの知り合いだから、マッチョな大男か、たくましい

女の人だろう…と、勝手に思い込んでいた。

 でも、この人は?

(どう見ても…どちらにも、当てはまらないなぁ。むしろ…)

さらに警戒して、ポケットを探る。

「あれぇ~ドラキュラがいる!」

いきなりケイタが、素っ頓狂な声で叫んだ。


「ちょっとぉ」

 失礼でしょ?

 それに、怒らせたら、どうするのよぉ。

アキはあわてて、ケイタの腕を突っつく。

だがケイタは、まったく気づかない様子で、

「へぇ~ねぇ、ドラキュラさん!

キバを見せて!」

ニタニタしながら、慣れ慣れしくその人に近づいて行く。

「うわぁ~」

 いきなりユウジが、声を上げて、ケイタに飛び掛かる。

その人は、ハハハ…と笑うと、カラスのように真っ黒なマントを、

バサッと後ろに翻した。


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