第41話 アイツは食いしん坊

「そっかぁ~今回は、ユー子さんたち、来ないのかぁ」

 残念そうに、カガリが言う。

アキが、彼女のことを慕っている、というのを知っているからだ。

「うーん、ユー子さんが来てくれたら、百人力なのになぁ」

いかにも残念そうに、ユウジが言う。

「ケイタだけじゃあ、頼りないよねぇ」

ボソッとカガリが言うと、

「誰が頼りないって?」

いきなり、ケイタの声が聞こえる。

「あっ、ケイタ!」

一同はあわてて、ごまかし笑いを浮かべる。


 不気味な笑い声は、いつの間にか消えていた。

あれは…何だったのだろう?

「ちょっと、お前!

 先へ先へと、行かないでくれよ!

 はぐれたら、どうするんだ?」

早速ショータが、鋭い声で言い放つ。

だが、ケイタは悪びれる様子もなく、

「ごめん、ごめん。

 屋台が見えたような気がしてさぁ」

ヘラヘラと笑う。

「屋台?」

「やっぱり、食い気かぁ」

アキはガクンと、肩を落とす。


(そうか、食べ物をもっと、用意するべきだったのかぁ~)

 自分の計画の穴に、気が付く。

「そんなことより、どこへ行ってたのよぉ」

こういう知らない所へ来た時は、団体行動が大事なのだ。

もしも、いきなり何者かに襲われた時を考えると、もっと

計画性を持たないといけない。

だけどもケイタときたら、少しも反省するそぶりも見せない。

「ごめん、ごめん」と笑うだけだ。

「もう!」

こんなので、うまくいくのだろうか?

アキがやきもきしていると…

「あっ、追いついちゃった?」

ヒュンといつの間にか、目の前にカフが姿を現した。

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