第40話 直感!

 ザワザワザワ…

木の枝が、かすかに揺れる。

ファンタジーランドから、にぎやかな音楽に隠れるようにして、

かすかに、キキキキキ…

動物の声や、小さな笑い声が聞こえる。

「アキちゃん、ここ、何かいるよぉ」

半べそをかいて、カガリがアキの手を、グッとつかむ。

「そうなのかなぁ?」

さすがにアキも、耳を澄ませて、音の正体を見きわめようとする。


「アキちゃん、気をつけて」

 アキのカバンから、声が聞こえる。

「あっ、ユー子さん?」

アキは、カバンの中を探る。

「そこには、何かがあるわ!気を付けて」

鏡を通して、アキに話しかけているのだ。

「アキちゃん、持ってきたの?」

カガリはまだ、青ざめた顔をして、アキの方を向く。

「うん、念のため、持ってきた」

チラリと、手鏡をカガリに見せる。

「あっ、ユー子さんだ!」

ユウジも、鏡をのぞき込む。

「あ~あ、ユー子さんがいてくれたらなぁ」

カガリがそうボヤくと、鏡がピカリと光って、

「私の代わりに、仲間をそっちに送るよ」

いつものように元気な声で、ユー子さんが慰める。

「見ていてくれるだけで、十分心強いですよ」

ショータがニィッと笑う。

「私も行きたかったんだけどねぇ。

 ちょっと、野暮用が出来てねぇ、行けなくなったんだよねぇ」

いかにも残念そうに、そう告げた。

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