第39話 止まらないボヤキ…
「まったくもう、どうなっているのよぉ」
アキのボヤキが、止まらない。
先ほどからずっと、ブツブツ言いながら、カガリの手を引いている。
「仕方がないだろ?ケイタが、入っちゃったんだし…」
まぁまぁまぁ、とユウジがアキをなだめる。
案内人をかって出ていたノワールは、どこかへ消えてしまった。
連れて行く、と言ったカフまで、先に行ってしまった。
「何よ、招待しておいて、ゲストを置き去りにするなんて!」
さっきから、オカンムリのアキに向かい、
「じゃあ、このまま帰る?」
ユウジが聞く。
「そんなわけには、いかないでしょ」
さらにアキが、目をひんむいて文句を言う。
「だって…ケイタを置いて行くわけには、いかないでしょ」
まさに、堂々巡りだ。
あ~あ!
アキは、大きくため息をついた。
てっきり、お化け屋敷に言ったら、これでおしまいだろう…
などと思っていたのに…
よりによって、ここから先が、まだあるなんて!
「やっぱり、私達、はめられたのかなぁ」
アキの気持ちを代弁するように、カガリが小声で言う。
「やっぱり、そう思う?」
さらにガクンと、力が抜けた様子で、アキはもう一度
「あ~あ」とため息をついた。
「でもさ!こんなところに、遊園地があるなんてなぁ」
何とかアキのご機嫌をとろう…と、ユウジが明るい声を出す。
「だけど、思いっきり、怪しいじゃないのよぉ」
さすがにアキは、ケイタほど単細胞ではない。
さらに大きな声で、そう言い放つと、
クスクスクス…
小さな声が聞こえる。
「なに?」
ピクリとカガリが、顏を上げる。
「どうした?」
ショータが、カガリを振り返ると
「何か…いる!」
カガリは怯えた目をして、グッとアキの手をつかんだ。
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