第36話 信じる?信じない?

「うん、信用できない」

 すぐさま、ケイタが声を張り上げる。

「ボクもだ!」

ユウジも大きくうなづく。

「そうだな、信用するヤツなんて、いるのかなぁ」

ショータは淡々とした口調で、そう言う。

「なんだよ、それ!」

 カフはすっかり、気を悪くしたようだ。

「せっかく、案内してあげようと思ったのになぁ」

 それは、残念だなぁ~

わざとらしく、チラチラとアキを見て言う。

「それって、どこよ」

思わずアキが、口を開く。

「おっ」

カフは嬉しそうに、ニンマリとする。


「ちょっと、アキちゃん!」

 放っておけなくなり、ついに、カガリがアキを突っつく。

「アキ!だまされたらダメだぞ!」

ケイタもわめく。

「こんなヤツ…信用したら、ロクなことにはならないぞ」

「絶対、ワナだぞ」

「そうだ、そうだ」

 ケイタたちは一斉に、アキを引き留めようとがんばる。

だがアキは、

「考えてもみて」と仲間たちを振り返る。

「それを言ったら、ノワールだって、十分怪しいわよ」

キッパリとそう言うと、カガリをキュッと抱きしめて、

「ごめん」

耳元でささやいた。


「それで、カフ…どこへ行くの?」

 もう一度、アキが聞く。

「あっ、いいの?」

自分から誘ったくせに、薄笑いを浮かべて、アキを見つめた。

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