第24話 まさか…ロボット?

 ネコがしゃべるなんて!

数か月前に、ユーレイと話をしたことがあるアキたちも、さすがに驚く。

「もしかして…」

カガリがふいに、消え入りそうな声を出す。

「なに?」

ユウジが振り向く。

「招待状をくれたのって…ネコさん?」

口を開いたものの、何と言ったらいいのかわからず、カガリも戸惑っている。

だがネコは、カガリの前に近づくと、

「そう!やっと気づいてくれた?」

嬉しそうに、話しかける。 


 しゃべるネコ?

 ロボット?

 どうなっているの?

ショータもケイタも、口をポカンと開けて、カガリとネコを見比べている。

「ネコさん…お名前は?」

アキもしげしげと、ネコの顔をのぞき込んで聞く。

「私の名前は、ノワール」

まっすぐに、アキたちに向かって話しかける。

「ノワール?」

「黒って、いう意味だね」

すかさずショータが言う。

「そう」

ノワールがうなづくと、ショータの前に、ピョンと跳ねる。

「さすが、ショータ!」

「それほどでも、ないけどね」

アキが褒めると、ショータは照れたように、メガネのツルに手を触れる。

「で、招待状を見てくれた?」

シッポをユラユラと揺らして、ノワールが聞く。

「もちろん!だから、ここに来たんだもの」

アキが答える。

「ふぅーん、そうなんだぁ」

ノワールは、ピョンと棺の蓋に飛び乗ると、

「あなたたちに、会いたいという人がいる」

背中をピンと伸ばして、五人を順繰りに見つめた。



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