第22話 フクシュー?

「フクシュー?」

「え~っ」

「誰の?」

 アキたちは、口々に騒ぎ立てる。

するとケイタが、

「あれだろ」と指を立てる。

「ボクたちが…カボチャ畑をメチャクチャにしたからだろ?」

あはは…

ユウジが笑う。

「それは、おまえだろ?」

ケイタらしいなぁ~と言っていると、

「案外、その考えが近いのかもしれない」

ユウジがにぃっと笑う。

「えっ?」

「カボチャ畑が?」

「え~っ」

キョトンとした一同を見ると、ショータがプッと吹き出す。

「違うよ、違うってば!」

ユウジがムキになる。

「そっかぁ」

ショータがうなづく。

「それって、あれでしょ?」

いきなりカガリが、口を開いた。

「やっぱり、例の…あの人でしょ」

 意味あり気に、アキを見る。

すると、アキもうなづいて、

「それって、カフ?」

懐かしい名前だなぁ、と思う。

「カフって、あの、カブ頭?」

「それだよ、それ~」

ケイタたちが、目を見合わせて、うなづき合う。


 すると、スルリ…と闇が動いた。

「えっ、だれ?」

カガリが急いで、アキの後ろに隠れる。

「そう!キミたちの言う通りだ」

暗闇の中から、姿を現したのは…

カブ頭でもなく、カボチャ頭でもなく、ガイコツでも、ゾンビでもなく…

しなやかな身体をしている、黒い猫だった。

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