第21話 それは…ワナ?

「ちょっと、うるさい!静かにして!」

 アキが振り向きざまに、ショータたちをにらみつける。

「えっ、なに?」

 こわっ!

ケイタは、アキの剣幕に、あわてて口を手でふさぐ。

アキは何かを…考えているようだ。

 オジサンはようやく落ち着いてきたのか、頭を軽く振ると、再び

口を開く。

「いきなり、背後から殴られて…

 それで気が付いたら、ここにいたってわけさ!」

タンコブ、出来ていないかな?

オジサンは頭を探る。


「え~、そうなの?」

「それって、ワナだったんじゃあないの?」

 ワァワァと騒ぐケイタたちに向かって、

「一体、何のために?」

鋭い声で、アキが言い放つ。

それを耳にすると、みんなは急に、シュンとする。

 ショータは口をキュッとすぼめると、

「それは…ボクたちを、おびき寄せるため?」

うーんとうなりながら、そう言う。

「じゃあ、何のために?」

やはりアキが、叱りつけるようにして、ショータに向かうと

「うーん、そうだなぁ」

再びシュンとして、下を向いた。

 

 何のため?

そう…さっきから感じる違和感は、それなのだ。

何のために、自分たちは、ここに呼ばれたのか?

 ユウジは、メガネのツルを、指で押さえると、しばし地下室の

天井を、にらみつける。

それから「あっ」と声を上げると

「もしかして…復讐とか?」

ふいにアキたちに向かって、声を放った。

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