第20話 謎の招待者

「オジサン!オジサンの所にも、招待状が来たの?」

 私達だけじゃあないんだ~

アキは目を大きく見開くと、少し乱暴に、オジサンの肩を激しく

揺さぶる。

「来たよ」

当然という顔をして、オジサンが言う。

「え~っ」

ケイタが素っ頓狂な声を上げると、

「なに?やっぱりカーテンに隠れて、やって来たの?」

興奮気味に、オジサンに聞く。

 逆にオジサンは、

「いや、隠れてなんか、いなかったなぁ」

アゴに手をあてると、オジサンはキッパリと言う。

「えっ?じゃあ…顔を見たの?」

「もちろん」

「えぇ~!」

そうなの?

オジサンの周りに、張りつくようにして、ユウジたちがグルリと

取り囲んでいる。


 だが、アキが気になるのは、そこではない。

「それで…何て書いてあったの?」

本当に、同じことが書いてあるのだろうか?

探るように、オジサンを見る。

「いや、時間と場所が、書いてあっただけだよ」

アキの期待するような内容ではない、とキッパリと言う。

「へぇ~」

「なんだぁ」

ケイタたちは、つまらなさそうにするけれど…

だけどもアキは、オジサンのことを、信用していないわけではないのだ。

その招待状が、ホンモノなのか、ニセモノなのか…

それだけが、気になっていたのだ。


「で、どうしたの?」

「もちろん、来たよ」

 だから、ここにいるんだろ?

何てことない、という口調で、オジサンが言う。

「で、来たら…待ち伏せされてた」

「えっ?」

思わず、ケイタたちの声が響いた。


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