第18話 何でこんな所で?

「本当に、大丈夫?」

「襲って来たりはしない?」

 口々にそう言いながら、ようやくケイタたちが、オジサンの所に

近付いて来る。

アキは全く平気な顔をして、

「バカねぇ~

 こんな所に、ゾンビがいるわけがないでしょ」

ケラケラと笑って、相手にしない。

「その通り!」

アキに、水筒のお茶を一口もらうと、ようやくオジサンは身体を

起こした。

「でも…なんで、こんな所で寝ていたの?」

カガリもやっと、アキの隣にちょこんと座る。

「何でって…気が付いたら、ここに入っていたんだ」

誰が好き好んで、棺桶に入ると思うか?

オジサンはまだ、ボーッとしている。

だけどこれが、誰のしわざなのかは…

四人には何となく、想像がついていた。


「もしかして…」

 ショータが、口を開く。

「これって、やっぱり、アイツのしわざかも」

「アイツって?」

「だから、あれだろ?アキに手紙を出した人物だよ」

「そうね」

アキもうなづく。

「それって、誰だよ」

 だがケイタは、まだ思いつかない様子だ。

「アイツだよ」

「そうそう、カブ頭!」

わかっているでしょ、と四人は口を揃えて、ケイタに向かって言う。

「え~っ、アイツは、どこかに消えたんじゃあないのか?」

自分たちが、爆発に巻き込まれた時、カフの姿はどこにもなかった。

だからケイタとしては、おそらく、建物もろとも、カフも一緒に

やっつけたのだ、と思っていた。

「アイツ、死んだんじゃあ、なかったのか?」

ケイタは唖然とした。

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