第6話 新たな招待状
ケイタが早速、身を乗り出す。
「じゃあ、行こうか」
さっさと動き出すので、ずいぶん現金なものだなと思う。
「じゃあって…いつ行くの?」
おそるおそるカガリが、ケイタに聞く。
何を今さら言っているんだ、とばかりに、ケイタはニヤッと笑うと
「そんなの、決まっているだろ?今だよ、今!」
キッパリとそう言う。
「それじゃあ、決まったな」
なぜかケイタは満足そうに、グィッと親指を突き出した。
「はぁ?何を言っちゃってくれるんだよぉ」
ずいぶん勝手なヤツだなぁ~
ユウジは呆れた顔をする。
「はっ?
こんなことしてたら、どうなっているか、わかんないだろ?」
いつまでも、グズグズしている場合じゃあない。
もっともらしい口調で、ケイタは言い切る。
「大丈夫。何も起こってはいないよ」
バカだなぁ~
ショータは笑いながら、ケイタに言うけれども。
それでもケイタは譲らない。
「バカはどっちだよ!
気になることがあったら、すぐに行動!
これが、ボクらのスローガンだろ?」
説き伏せるように言う。
どうやら、何が何でも、あそこに行きたいようだ。
ほらほらほら!
強引に、アキたちの背中を、ポンポン押すと
「さっさと行くぞ」
追い立てるように、動き回る。
「なんだよ、急だなぁ」
相手に命令されるのを、ショータは嫌う。
ブスッとして、納得がいかないようだけれど…
アキだけは、複雑な顔をして、
「じゃあ、この招待状…誰が、持ってきたんだろう?」
昨夜見た、カーテンに写った小さな影のことを、思い起こしていた。
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