第5話 今度はなんだ?

「え~っ、あのカブ頭、やっつけたんじゃないの?」

 まだ口をモグモグさせながら、ケイタは口を挟む。

「喉が渇くなぁ」

一人で平らげてしまう勢いに、アキは慣れている様子で、

「カブ頭じゃなくて、カボチャたちはね!」

すかさず訂正すると、サッと水筒を差し出した。


「今度は…お化け屋敷じゃないの?」

怯えながらも、カガリが小声で聞く。

「うん、そうみたい」

アキはうなづく。

「まぁ、そうだろ?

 だって、あれだけぶっ壊したんだからな!」

はっはっはっ!

ケイタは、腰に手をあてて、豪快に笑う。

「でも…その割りには、大事にはならなかったみたいよ?」

眉をひそめて、アキが言う。

「えっ、どういうこと?」

ユウジが身を乗り出して聞く。

アキは頬に手をあてて、

「あのお化け屋敷~実は、壊れていない…っていう噂なのよ」

「え~っ?」

「ウソだろ?」

「なんで?」

一同は、てんでばらばらに、騒ぎ出す。

「そんなわけが、ないだろ?」

「だって、あれだけ派手にやったんだ!」

「何ともないわけがない」

まるでアキが、ウソを言っている…

と、決め付けているようだ。

「そんなに言うなら、確かめに行ってみる?」

思わずアキは、ポロリと口に出した。

「おっ、それはいいねぇ~」

楽しくなってきたぞ!

水筒のお茶を飲んでいたケイタが、早速パッと立ち上がった。

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