第4話 謎の手紙

「何だよぉ」

 結局ケイタの希望は、みんなによって却下され、ユウジたちに強引に、

いつもの空き地へと連れて行かれた。

「うまい棒、買うつもりだったのに~」

未練がましく、ふて腐れるケイタに向かい、

「はい!私のあげる」

アキはカバンを開けて、中の物を引っ張り出す。

こんなこともあろうかと…昨日ママと一緒に、チョコクッキーを焼いて

おいたのだ。

(ママ、サンキュー!)

 なんて私ってば、いじらしい女の子なの、とアキは心の中で、そう思う。

「おっ」

ありがとうも言わずに、ケイタはその紙袋を引ったくる。

「ちょっと!みんなにも、分けてあげてよね」

ムダだと分かりつつも、一応声をかけた。


 ケイタがおとなしくなったのを、見てとると、

「で、これなんだけど」

早速ユウジたちの前に、例の封筒を差し出す。

「えっ」

「うそっ」

「だって、これ~」

 仲間たちは、目の前の手紙を見ると、血相を変える。

それもまた、アキの中では、想定内の出来事だ。

「あれって、終わったんじゃあないの?」

みんなの心を代弁するように、カガリが小声で口にする。

「どうやら、それが…終わってはいなかったようだね」

ユウジがメガネのツルに、手を触れた。

アキはチラリと、ユウジを見ると

「そういうこと!」とうなづいた。

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