第19話 ウォルテの終わり。

エナメノーレが普段の通りクリブルの腕を持って、「特訓だ!」と言った後で、「リリアント、今日はお前も来い」と呼ぶ。


寝耳に水のクリブルとリリアントだが、エナメノーレは「女神に逆らうな」と言って2人を寝室に連れ込む。


クリブルは兄の顔で「エナメノーレ!何を考えているんだい?ブールゥの時は甘んじたが、リリアントは大事な妹だ!そんな真似はしないよ!」と談判をするが、エナメノーレは「何を言う?リリアントの顔を見てみろ。すでに上気している」と返してきた。


エナメノーレに言われるまま、リリアントを見ると確かに顔は赤い。

「リリ…」と声をかけると、リリアントは「お…お兄様…、私は…」と言ってモジモジとしている。


「エナメノーレ、リリアントは折角何事もなかった体に戻れたんだ。今度こそ素敵な恋愛をして、生涯を誓った相手に初めてを捧げてもらいたいんだ」

「それが残酷なんだ」

エナメノーレは呆れるような顔だが、冷たい目でクリブルを見ながら、「人の味を知った獣に人を喰うなと言えるか?」と聞く。


「何を?」

「リリアントは望まずだが、男を知ってしまった。性の快楽も知ってしまった。それを生き返ったから、身体が生娘に戻ったからと遠ざけてどうなる?」

クリブルは「え?」と言ってリリアントを見ると、リリアントはモジモジとしながら手が局部の方にのびかけては慌てて引っ込めている。


「薬物中毒から救ったから、身体は覚えていないが魂は覚えている。それをギアの復興と復讐の後で、伴侶を探せなどと無理難題を押し付けるな。別にお前と一つになれ等と言っていない。この場にいて人肌に触れて、少しでも癒されればいい。お前は人肌への焦がれを知らないから言えるんだ」


エナメノーレの言葉に、クリブルは初めてエナメノーレに会った時を思い出す。

裸で過ごして触れるだけで「あたたかい」と喜んでいたエナメノーレを思い出して、クリブルは少しだけ認識を改めて「エナメノーレ、俺はリリアントとはしないよ?」と言うと、「わかっている。リリアントは私とするのだ」とエナメノーレが言う。


「エナメノーレは契約が…」

「契約は男相手だ。しかも眷属化していればクリブル同然だ。何の問題もない」


エナメノーレは「嫌なら拒絶をすればいい。破瓜はさせぬ。安心しろ」と言いながらリリアントを脱がせる。そして「クリブルは私を責めろ。私はリリアントを責める。リリアントは好きに反応をして己を満たせ」と仕切り始める。


「…おかしいよエナメノーレ。僕とリリアントは兄妹だよ?」

「何を言う?かつてのギア王は嬉々としてやったぞ?あやつは母から叔母から姪から娘から姉や妹まで、何でもありだった。お前もその血脈だ。受け入れろ」


クリブルは知りたくなかった事実に愕然としたが、「これも特訓の一環だ。特訓を積めばギアの再興も、クレスへの復讐も早く終わるぞ」と言われ、何とも言えない気持ちで、後ろからエナメノーレを羽交締めにすると乱暴気味にキスをする。


「ふふふ。荒れているな?それも良い。だが私の手足を封じるなよ?リリアントが寂しがる」


クリブルに触れられて、声が出てしまいながら身体をよじるエナメノーレだが、それでもキチンとリリアントを見ると、抱き寄せて優しく頭を撫でて「人肌はどうだ?」と聞くと、リリアントは荒い息で「あたたかいです」と言う。


「ふむ。それではもう少しこうしていよう。クリブルは私が退屈しないようにしてくれよな?」


優しくリリアントを抱きしめて頭を撫でる姉のようなエナメノーレを、容赦なく責め立てるクリブルは、途中から頑張って姉を演じようとするエナメノーレの目論見を理解して、「手が止まってる」、「リリから離れるな」と指示を出していく。


エナメノーレはどういうことか普段以上に興奮していて、この責めだけで身体を震わせてしまう。


エナメノーレは恥ずかしそうにしながらも、「そろそろいいな?と言ってリリアントを責め始めると、最初は戸惑いを見せたリリアントも、次第に積極的に身体を突き出してエナメノーレを求める。


「ふふふ。可愛い子だ」と言いながらペースアップするエナメノーレを見て、クリブルはエナメノーレがリリアントにしている事と同じ事をする事にする。


エナメノーレは必死になってリリアントを責めながら、自分に同じモノがやってくる事に期待していく。


リリアントは一度果てたくらいでは止まらなかった。


「本気で嫌になったら止めるから、可能な限り受け入れろ」と言い、更にエナメノーレが責め立てると、クリブルも「エナメノーレもな」と言って責め立てる。

個人差だが、どうしてもリリアントの方が先に果てる。


クリブルはエナメノーレに「エナメノーレ、リリと同時に果てるんだ。集中だよ。リリアントの責めを少しだけ緩めてタイミングを合わせるんだ」と指示を出すと、エナメノーレは「そんな…、頑張る…!リリアント…、一緒に…、耐えて」と言いながら、タイミングを合わせる為に何度も果てていく。ようやくタイミングが合って抱きしめ合いながら果てるリリアントとエナメノーレ。


肩で息をしながら「リリアント、満足か?まだ出来るか?」と聞くエナメノーレに、リリアントは「少し休みます。また後でお願いします」と言うリリアントに、「そうだな」と言って抱きしめて頭を撫でるエナメノーレだったが、「何休んでるの?エナメノーレはこれからが本番だよ。リリに見てもらって、今度はエナメノーレが優しく撫でてもらいなよ」と言ったクリブルに責め立てられてしまう。


言葉通り「エナメノーレ様、頭を撫でますから甘えてくださいね」と言って優しくするリリアントは、「気持ちいいですか?」と聞くと、エナメノーレは「気持ちいい」と何度もくりかえす。


そのやりとりを見て復活したリリアントが参加をすると、また同時に果てるように言われて責め立てられる。リリアントがダウンすると、リリアントが復活するまでクリブルに責め立てられる。


気付けば2日が過ぎていた。


半魔半人達はその間もキチンと仕事をしていて、最後の生き残りも含めてウォルテに住む人間は1人残らず始末されていた。


これによりクリブル達は一度帰れるようになった。

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