ダグル迷宮地下第六階層……謎解きクリア
(スイッチの場所については書いてないのか)
グリモエステルスが古代文字を読み終えるとエルはそう言い、ガッカリし溜息をついた。
“そのようだね。だが、これは次に向かう場所について書かれている”
(これをクリアしていかないといけないのか……)
”もう一度読み直すよ。【目指せ左を道の分かれ三つのを逆にすれば先に進める】と書いてあったけどエルは、これをどう解釈する?“
そう聞かれエルは思考を巡らせる。
(逆に読むのかも……そうなると【のつっみれかわのちみのりだひせざめ】になるけど、なんか意味が分からない)
”……なるほどな。儂は分かったが教えん“
(もしかして簡単なのか?)
そう言いエルは再び考えた。
”簡単といえば、そうだね。ただ、これは普通に文字を直さない方がいい“
(……んー、ん? そうか! 【三つの 分かれ 道の 左を 目指せ】でいいんだよな?)
”流石だエル、よく解けたな。じゃあ急ごうか“
そう言われエルは照れる。
その後エルは地図プレートをみながら進み三つに分かれている道まできた。
(左を進めばいいのか? なんか違うような気もするんだけど)
“なぜそう思うんだい?”
(グリモエステルスは知ってて言ってるよな?)
そう言いエルは三つの通路を順にみる。
“どうだろうね。これはエル自身が解かないと意味がない。それに君なら解けると思っているよ。だから余計なことは言わないつもりだ”
(どうだろう。もう一度、古文書に書かれていた言葉を思い出してみる)
そう言いエルは思い返してみた。
(確か……【目指せ左を道の分かれ三つのを逆にすれば先に進める】で【三つの分かれ道の左を目指せを逆にすれば先に進める】だから……あっ!?)
エルはあることに気づき三つに分かれた通路をみる。
(そっか! 左じゃない、右だ)
“どうしてそう思った?”
(三つの分かれ道の左を目指せを逆にすれば、だから……左の逆は右だと思った)
そう言いエルは右側の通路を指差した。
“そういう事だ。だが、これに気づかなかったらと思ってヒヤヒヤしたよ”
エルはそう言われ苦笑した。
そしてエルは地図プレートをみながら右側の通路を通り先へと進んだ。
その後も古代文字の問題を解きながら迷路の先へと進んでいった。
∞✦∞✦∞✦∞
(ここが最後だといいけどな)
そう言いエルは目の前の古代文字が書かれた石板をみている。
“そうだな。ただ、ここだけ古代文字が石板に書かれているね”
(確かに……今までは壁に書かれていたけど)
“そうなると期待できそうだな……じゃあ読むよ”
それを聞きエルは頷いた。
“部屋の光さす中央まで行き進め 魔力を捧げ道がみえる方へ”
(……どういう事だ? そのまま意味をとらえていいのか)
“どうだろうね。その意味を、よく考えた方がいいかもしれない”
そう言われエルは腕を組み考える。
(これを解くってことなのか? そうなると……)
そう言うとエルは思考をフル回転し悩んだ。
(なんで行き進め……なんだ?)
更に訳が分からなくなり考え込む。
(魔力を捧げ……ん? これも言葉を組みかえられるんじゃ)
そう考え持っていた紙に書いていった。
書き終えると頭の中で読んでみる。
(部屋の中央まで行き魔力を捧げ 光さす方へ進めば道がみえる……でいいのか?)
“どうだろう……そうだと思ったら実行してみるといい”
(グリモエステルス……他人事だな。まあいいか……)
そう言うとエルは部屋の中央へと向かった。
中央までくるとエルは床に手を翳し魔力を注いだ。
すると魔法陣が展開され、どこかで『ガチャン』と音が鳴る。
その後、どこからともなく光が差した。その光は、ゆっくりと移動しエルの眼前の壁を照らしている。
(正解だったみたいだ)
“相変わらずエルは、こういう謎を解くのが得意みたいだね”
(どうだろう……でも解けると凄く気持ちいいよな)
そう言いエルは笑みを浮かべる。
そしてその後、光が当たっている壁を触った。
すると壁は、ゴゴゴゴゴオォォオオオっと音を立て壁の一部が上がる。
(次は地下七階層だよな?)
“この先で何もなければな”
(ないことを祈るよ)
そう言うとエルは、その出入口を通り先に進んだのだった。
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