ダグル迷宮地下第六階層……迷路のような階層

 ここはダグル迷宮。

 あれからエルは地下四階層へ降りた。ここは緑よりも水が多い場所だ。

 そこを魔物や魔獣などと戦いながら先に進む。因みにこの階ではボスらしい魔物と遭遇することがなかった。そして難なく地下五階層へと降りる。

 地下五階層に降りると大小様々な鉱石が周囲に転がっていた。この階は鉱石の魔物が殆どのようである。その魔物をエルは少し苦戦するものの倒していく。

 ここでもボス級の魔物とは遭遇せず地下六階層に降りることができた。

 地下六階層……ここも鉱石が至る所にあるが、どちらかと云うと黒っぽい物ばかりである。


 そして現在、エルは地図プレートをみていた。


(この階層は結構……入り組んでるな)

 “うむ、そのようだ。それに……迷路のようになっているだけではなく道が動く”

(うん、ここにも書いてある。でも、スイッチをみつけて動いている道を止めればいいらしい)


 そう言いエルは周囲を見渡したあと目の前の通路の先へ視線を向ける。


 “スイッチの場所は書いてないのか?”

(ないみたいだ。ここに書かれてるのは【自分で探せ】って……)

 “そうか……じゃあ儂も教える訳にはいかんな”


 それを聞きエルは、ハァーっと溜息をついた。


(しょうがない……探すか)


 そう言いエルは周囲を警戒しながら先へ進んだ。

 しばらくプレートを確認しながら進み時折でる魔物や魔獣を倒していった。

 すると、ゴオォォオオオーっと云う音が辺りに響く。


(この音って……道が動いたのか?)


 そう言うとエルは、地図プレートをみる。


(……動いてる。ってことは、この先って行き止まりか。でも、とりあえず行ってみる。スイッチを探さないとならないしな)

 “そうだな……その判断は正しいかもしれない。まあ間違っていたとしても大丈夫だろう”


 そう言われエルは、コクッと頷いた。

 その後エルは先の行き止まりまで歩き進んだ。

 その間、運よく魔物や魔獣と遭遇せず行き止まりまできた。

 そしてエルは辺りを見回して、スイッチを探す。


(スイッチはない。だけど壁に古代文字が書いてある)

 “そうみたいだな。エル、読めそうか?”

(なんとか読んでみる。無理そうな時は……グリモエステルスに聞く)


 そう言いエルは壁に書かれている古代文字を読み始める。

 グリモエステルスもまた宙に浮き壁の古代文字をみていた。


(……スイッチの……んー……場所…………出……現…………方……??)

 “エル……殆ど読めてないじゃないか!”

(ハハハ……そう言っても見慣れない文字が含まれてたから)


 そう言うとエルは苦笑する。


 “仕方ない、儂が読む”


 それを聞きエルは分かったと頷いた。

 その後グリモエステルスはエルに古代文字を読んで聞かせる。

 それをエルは真剣に聞いていたのだった。

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