ダグル迷宮地下第三階層……巨大な植物の魔物
エルは地図プレートをみながら森の中を警戒し進んでいた。
(ここの魔獣や魔物は襲ってこないのか?)
“エルのことを恐れているんじゃないのか”
(という事は……ここの魔獣や魔物は弱いってことか)
そう言いながら辺りを見回してみる。
“そうだと思う。だが、この先にボスが居るかもしれん”
(ああ、そうだな)
エルはそう言い先へ先へと進んだ。周囲が段々暗くなってくる。
そして出入口がみえてきた。とその時、眼前に巨大な植物が現れる。
「な、なんだこの不気味な植物は!?」
“食虫植物が魔物化したみたいだね”
(そういう事か……名前はないのか?)
そう言いながらエルは大剣を背中の鞘から抜いた。その後、身構える。
“特別ないね。恐らく誰かが意図的につくった魔物みたいだ”
(ヤツらか?)
“セルギガの仲間じゃない。恐らく古代人だとは思う。それに……さっきも言ったけど、この森は人工的につくられたものだよ”
それを聞きながらエルは大剣を構え直した。
(なるほど……そういう事か。でも、なんのために……)
“地下二階層のあの場所もそうだったけど……何かの試験的なことをする場所だったかもしれない”
(そうか……でも、セルギガはどうやってここを抜けていったんだ?)
そう話をしていると植物の魔物は蔦を鞭のようにしならせエルを攻撃する。
それをエルは即座に避けた。
間髪入れず植物の魔物は蔦で攻撃していきエルがそれを避けていく。
“今は無駄話をしない方がいいな”
そう言われエルは、コクッと頷いた。
その後、エルは大剣を構え直すと駆け出し攻撃をかわしながら植物の魔物へと向かう。
そして、植物の魔物の側までくると即座に大剣を横に振り根元を斬った。
植物の魔物の根元は斬られるが、すぐに再生し始める。
「クッ……コイツも核を持っているのか?」
“恐らくな”
そうこう話をしている暇もなく。植物の魔物は体を発光させたあと口のような場所からエルに目掛け粘液を飛ばした。
それに気づきエルは素早くよける。
その粘液は近くの木にあたった。
「…………溶けてる!」
それをみたエルの顔は青ざめる。
“気をつけた方がいいな”
(言われなくてもそうする。だけど……核の場所を探るにも、魔物の動きが速すぎだ)
“考えてる暇はないぞ”
そう言われエルは頷き植物の魔物を見据えた。その後、大剣を構え直し攻撃をかわしながら木の枝に乗る。
そしてエルは次々と木の枝を伝いながら植物の魔物の攻撃をかわしている。
植物の魔物のそばまでくるとエルは大剣を振り上げた。と同時に植物の魔物に目掛け跳んだ。
エルは植物の魔物の真上までくる。
――タアァァアアアー……――
そう叫び思いっきり大剣を振り下ろしながら落下した。
――グギャアァァアアアー……――
植物の魔物は斬られていき痛いのか、そう叫び辺りに響き渡る。そして体からは緑色の体液が勢いよく吹き出していた。
エルはその緑色の体液を浴びながら植物の魔物の根元まで刃を振りきる。そのままエルは地面に着地した。
すると植物の魔物は奇妙な鳴き声を発し体から光を放ち消滅する。
それを確認したかのようにエルは肩の力が抜け項垂れ地面に両手をつく。その後、徐々に息を整えた。
「終わったな……」
“ああ、思ったよりも早かった”
(確かにな。でも、まだ他の階層がある)
そう言うとエルは出入口の方へ視線を向け立ち上がる。
そして四階層へと向かい駆けだした。
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