ダグル迷宮地下第七階層……待ち構える魔獣たち
ここはダグル迷宮地下第七階層。
この階層は岩石が主で至る所に空洞がある。
そして現在エルは魔物や魔獣と戦っていた。
そう地下七階層に降りて来た途端、大量の魔物や魔獣に襲われ戦っているのだ。
「クッ……多い」
大剣を構え直すとエルは魔物や魔獣を斬っていく。すると魔物や魔獣は、バタバタと倒れていき消滅する。
(多すぎる……能力を使った方がいいのか?)
“まだ早い。能力を使わず技や魔法でなんとかしろ”
(キツイ言い方だな。だけど、そうする……能力は温存しとかないと)
そう言いながらエルは向かいくる魔獣を斬った。
“そういう事だ。時間はかかっても今はなるべく手の内をみせない方がいいからね”
(そうだな……弱点を探っている暇もないし考えてる余裕もない)
数体の魔物が四方八方からエルへ攻撃を仕掛ける。
エルは大剣を振り魔物の攻撃を避けていった。
そして大剣を構え直すと、ギュッとグリップを握りしめる。
《メテオバースト・スラッシュっ!!》
そう言い放つとエルは大剣を左から右へ振り切った。それと同時に剣身から漆黒の刃が放たれる。そして数体の魔獣へ同じ攻撃をしていった。
その後、漆黒の刃は全ての魔獣に命中し爆発する。
(後続は出てこないみたいだな)
“そうみたいだね。じゃあ先を急ごう”
そうグリモエステルスに言われエルは心の中で頷いた。
その後エルは先へと向かい駆けだす。
∞✦∞✦∞✦∞
エルは石橋の手前まできた。目の前には待ち構えてたかのように多くの色んな種類の魔獣が所狭しと石橋の上にいる。
大きくて幅の広い石橋ではあるが崩れそうにもみえた。
(ここをクリアしないと先に進めない)
そう思い大剣を持ち直し石橋の手前にいる数体の魔獣を倒していった。
魔獣を倒していくと石橋の上までくる。
「クソッ、ここにも魔獣が……なんで、こんなに沢山いるんだ!」
そう言いエルは構え直し目の前の数多くの魔獣たちを見据えた。
「うわぁぁー!!」
するとそう叫びながら魔獣の群れへ突っ込んでいく。それと同時に、ギュッと大剣のグリップを握りしめ魔力を注いだ。
すると、漆黒のオーラが大剣を覆い包み込む。
「闇に燃えし漆黒の炎、裁きの刃にて敵を殲滅せよ」
そう詠唱しながら大剣を右斜めに振り上げる。
《ギルティック・メティオ・バスター!!》
大剣を左斜めに振り下ろした。それと同時に大剣を覆う漆黒のオーラを放つ。その漆黒のオーラは轟々と燃え盛る闇の炎になり魔獣の群れを次々と襲った。
「うおぉぉぉー!!」
そう叫びながら大剣を振るい魔獣を薙ぎ倒しながら突進する。
魔獣たちは闇の業火に焼かれ暴れた。そして大剣で斬られ魔獣は、バタバタと倒れ全て消滅する。
「……た、倒せた。だけど、なんで……あんな数の魔獣が?」
ハァハァハァと肩で息をしていた。
「元々この階層が、そうなのか…………そんなことを考えてる暇ないな」
そう言い考えているとエルは石橋を渡りきる。
「だが、まだだ。まだ、みんなの姿が……みえない」
来た道を振り返った。
「もう後戻りはできない。いやそもそも、そんな選択肢は皆無だ」
再びこの先にある地下第八階層へ続く出入口を見据える。
“そうだね。恐らく、ここから更に強くなる”
「うん……そうだな。でも考えている場合じゃない……行こう、みんなの所に……」
キッと気持ちを引き締めると急ぎ駆け出した。
エルは出入口までくると中に入る。そして地下第八階層へ降りて行ったのだった。
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