悪化と制裁
エルとラクドサスは、市場街を走りシルフィアとキキョウを探した。
そして市場街の奥までくると二人は、シルフィアとキキョウをみつける。
「「……」」
エルとラクドサスはシルフィアとキキョウをみつけたと同時に絶句した。
そうシルフィアとキキョウは、全身に傷を負い血まみれだったからである。
それでもシルフィアとキキョウは、お互いの髪を掴みもみあっていた。
「いい加減にしろ!」
そう言いラクドサスはキキョウの下へ駆け寄る。
「シルフィア、何があったか知らないけどやめろ!」
エルもまたシルフィアへと駆け寄った。
だが……。
「何さ、ラクドサスなんか……ただの馬鹿じゃないのよ」
「そういうエルなんか、うじうじ虫じゃないのよ」
二人はお互いエルとラクドサスの悪口を言っている。
それを聞いたラクドサスとエルは、手を出すのをやめた。
「ほう……お互い俺たちの悪口を言ってるみたいだ」
「ああ、そうだな。でも、確かに言っていることは間違っていない」
そう言いエルは、半目でラクドサスをみる。
「ああ、本当にな」
ラクドサスも目じりを、ピクピクさせていた。
その後エルとラクドサスは、言い合いになる。そして、取っ組み合いの喧嘩に発展してしまった。
それにみかねたグリモエステルスは、エルのバッグから出る。それと同時に、魔導書が開き黒くなった。するとエルの体が動かなくなる。
片やセイントチェーンは、ラクドサスから離れ宙に浮いた。その姿は、眩く光る鎖である。するとその鎖は、ラクドサスの体を拘束した。そしてエルから引き離す。
それを待っていたかのようにグリモエステルスは、エルの頭の上に大きな岩を落とした。
「うわぁぁぁぁぁぁぁーいてぇー……」
そう叫びエルは、地面に倒れる。
その後、魔導書は開いた状態でエルの前まできた。
それに気づきエルは、自分の血を魔導書に垂らす。
すると魔導書は、黒から白に変化する。
その後エルは、動けずその場で寝そべった。
(ハハハハハ……やらかしたな)
”笑いごとじゃない。止めに来たのに、これじゃ意味がないだろ”
(そうだな……ごめん、グリモエステルス)
そう言いエルは、何をやっているんだと反省する。
一方ラクドサスは、鎖が体に巻き付き動けなくなる。そのため強制的に正座をさせられた。
”ラクドサス、お前まで何をしておるのじゃ”
(申し訳ありません。ですが……余りにも酷いことを言われ)
”口答えはよい。それよりも、二人の手当てをしなさい”
そう言われラクドサスは、分かりましたと頷く。その後、エルの方をみる。
「……アッチは、かなり厳しいお仕置だったみたいだ」
ラクドサスは仕方なくエルに回復薬を飲ませた。
「悪い……シルフィア達をなんとかしないとな」
「ああ、大丈夫だ。そうだな……これじゃ二人共、死ぬまでやってそうだ」
そう言いラクドサスは、キキョウとシルフィアの方へ向かい歩み寄る。そのあとをエルが追う。
そしてエルとラクドサスは、シルフィアとキキョウの喧嘩をやめさせたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます