仲間とパーティー名

 あれからエルとシルフィアは、まだ言い合いを続けていた。

 だがエルは、能力を使っていたせいで疲れてくる。そのため仕方なく、能力を解除した。


「……ごめん、シルフィア」


 そう言いエルは、申し訳なさそうな表情で俯く。


「フゥ……本当に、落差があり過ぎよ。まぁそれはいいとして、これからどうするの?」

「そうだな……ログスとララファはどうする?」


 そうエルに言われログスとララファは考える。


「んー、まだ護衛の依頼って有効ですか?」

「ログス、それなんだけど……二人は俺の眷属になった。ってことは、仲間だよな?」


 そう言いエルは、ログスとララファをみた。


「えーえっと、エルがそう言ってくれるなら……仲間だと思う」

「うん……アタシも、エルがそう思ってくれるなら嬉しい」

「エル、私は?」


 そうシルフィアは言いエルを期待の眼差しでみた。


「シルフィアは……猫? ペットかな」


 ふざけてそう言いエルはシルフィアを見据える。


「ペット……って、あのね! 確かに猫科の獣人だけど、それって酷くない? 待って……エル、まだ能力を解除してないの」

「ううん、今は能力を使ってない。って、ごめん……冗談だから。勿論、今はシルフィアも仲間だって思ってる」


 そう言いながらエルは、シルフィアをみて微笑んだ。


「あのねぇ……ハァ、まあいいわ。それよりもエル、ログスの質問の返答?」

「あ、うん。仲間なら依頼は必要ないと思った」

「じゃあ……」


 そうログスが言いかけるとエルは笑みを浮かべ頷いた。


「ああ、これからこのメンバーでパーティーを組めたらと思っている……駄目か?」

「ううん、いいと思う! 二人もそうだよね?」


 そう言いシルフィアはログスとララファをみる。


「うん、勿論です!」

「そう言ってくれて、嬉しいです!」


 二人は嬉しさのあまり泣き出しそうになっていた。


「あーうん、みんなありがとう。じゃあそういうことだから……改めて明日ギルドに言って、パーティー申請と地下二階層の依頼を受けに行こう」

「そうだね……それもいいけど、パーティー名はどうするの?」

「シルフィア、そうだな……流石にグリモエステルスのままじゃ駄目だし」


 そうエルが言うと三人は、ウンウンっと頷く。


「……フェアリーエステルスは、どうかな?」


 そうララファに言われエルは考える。


(フェアリーエステルスか……大丈夫かな?)

 ”問題ないだろう。直接、儂のことを指している意味合いの言葉じゃないからな。それにこのメンバーなら、その名前が合っているかもしれん”

(そうか……じゃあ、これにする。グリモエステルス、ありがとう)


 そう言うとエルは三人を順にみた。


「ララファ、その名前にする。グリモエステルスにも聞いたけど、大丈夫みたいだしな」

「まだ自分で、決められないのかぁ」


 シルフィアはそう言うと、ジト目でエルをみる。


「えっと……確認した方がいいと思ったから、聞いただけだし」

「クスクス……まぁそういう事にしておくわね」

「あーその言い方、信用してないな。んー、まあいいけど……」


 そうエルとシルフィアが言い合っているのを、ログスとララファは笑いながらみていた。

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