ミライゼル冒険者ギルド商会……報告と寿命の違い

 ここはミライゼル冒険者ギルド商会の建物内。

 翌朝になり、エルとシルフィアとログスとララファはここに来ていた。


 あれからエル達は、これからのことを話したあと解散する。

 シルフィア以外は自分の家に帰った。


 そして現在、エル達はギルドのカウンターの前にいる。


「おはようございます。この前の依頼の方は、完了で良いでしょうか?」


 そう受付嬢のカルシャに言われエルは頷いた。


「はい、終わりましたがみつかりませんでした」

「そうですか……それは残念ですね」


 そう言いカルシャは眉を下げログスとララファをみる。


「いいえ、大丈夫です。また行こうと思ってるので」


 ログスがそう言うとカルシャは不思議に思い首を傾げた。


「じゃあ、まだ依頼の完了ではないのでしょうか?」

「いいえ、そうではありません。一旦、依頼を完了して……別に依頼を受けようと思いました」


 そうシルフィアに言われカルシャは、更に訳が分からなくなる。


「どういう事でしょうか?」

「カルシャさん、このメンバーでパーティーを組むことになりました」

「あーそうなのですね。それはいいことです。では、手続きをしませんと……お待ちくださいませ」


 そう言いカルシャは、なぜかルンルンしながら書類を取りにカウンターの奥へと向かった。

 待ってる間エル達は、カウンターの前で話をすることにする。


「カルシャさん、なんか喜んでたね」


 そう言いシルフィアはエルをみる。


「そうだな……ログスとララファのことを心配してたんだろう」

「そうなのかなぁ。でも、そうだとしたら……そう思ってもらえて嬉しい」

「アタシも……今まで、こんなに思ってもらえたことないから」


 それを聞きエルは俯き考え始めた。


(孤独と思ってたのは……俺だけじゃない、ってことか。ログスやララファも……いや、もしかしたらシルフィアもか?)


 そう思いエルはシルフィアに視線を向ける。


「エル? 私の顔に何かついてるの?」


 そう言われエルは、ハッとし辺りをキョロキョロした。


「あーえっと……シルフィア、俺……みてたか?」

「はあ? 深刻な顔でみてたわよ。まさか、意味もなくみてたのかな?」

「んーシルフィアのこと考えてたから、無意識にみたみたいだな」


 それを聞きシルフィアの顔は茹蛸のようになる。


「か、考えて……たって……それは……」

「んー……シルフィアも孤独で寂しかったのかなって思ってさ」

「あーそうなのね……」


 シルフィアは、ガッカリしているようだ。


「そうね。私は、どうだろう……人間族と寿命が違うし。昔は、そういう時期があったかもしれないけど」


 そう言いシルフィアは、悲しそうに遠くをみつめている。


「ごめん、そうだな……」

「ううん、大丈夫よ。エルみたいに大泣きしないから」


 シルフィアはそう言うも、どことなく無理をしている感じだ。

 その後もエル達は、話しながらカルシャが戻ってくるのを待っていた。

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