談話と質問

 ここはシルフィアの家。

 あれからエルとシルフィアとログスとララファはここに来ていた。

 そして四人は椅子に座り白で円いテーブルを囲み話をしている。

 テーブルには、四人分の麦茶のような飲み物とお菓子が置かれていた。

 シルフィアは回収したアイテムやお金などをエル達の前に置いていく。


「アイテムとか回収した物は、これで全部ね」

「思ったよりも多いな」

「エル、えっと……本当にアタシ達もこんなにもらっていいの?」


 そう言いララファは、不安な表情になる。


「ララファの言う通り、俺は何もできてない」

「ログス、そんなことない。それに二人が居なかったら、荷物をこんなに持ってこれなかった」

「……エル、それって褒めてない気がする。だけど、そうね……二人のお陰だよ」


 シルフィアはそう言いログスとララファを順にみた。


「ありがとうございます。でも、これでお別れなんだよな」

「ログス、それは……」

「エル、待って! 私が話すから」


 そうシルフィアに言われエルは頷く。


「二人は、強くなりたいのよね?」

「シルフィアさん……強くなる方法があるならなりたい!」

「アタシもログスと同じだよ。だけど……そんな簡単に強くなる方法なんてある訳ない」


 そう言いログスとララファは俯いた。


「もし、強くなる方法があるとしたらどうする? 但し極端に強くなる訳じゃないけどね」

「それって、どういう事ですか?」


 シルフィアの言いたいことが理解できず、ログスはそう問いかける。


「オーパーツのことは知ってるわよね?」

「はい、そういう古代の魔道具や武器があるのは聞いたことあります」


 そうララファが言うとシルフィアは、真剣な表情で二人をみた。


「じゃあ、眷属については知ってるかな?」

「ええ、確か……オーパーツを所持してる人に仕える者のことですよね」


 そう言いログスは、シルフィアの言いたいことが分からず首を傾げる。


「そうね。それじゃ、話を進めるわよ。もしオーパーツ所持者の眷属になれるとしたら、二人はどうする?」


 そうシルフィアに問われログスとララファは悩んだ。


「んー…………眷属になるってことは、確かに強くなれる。そう、聞いたことがあるしな」

「うん、アタシも聞いたことある。でも、それは……噂だよね?」

「ララファ、噂じゃなくて本当にオーパーツが存在したら?」


 そう言いシルフィアは、ログスとララファを見据える。


「もしかして、本当にオーパーツが存在するんですか?」

「ログス、ええ……存在するわ」

「そう言うってことは、シルフィアさん……みたことがあるんだよね?」


 そうララファに聞かれシルフィアは頷いた。


「ええ、今までに二個のオーパーツをみてるわ」

「えぇっ!? それって、本当ですか?」

「凄いっ!? それで……オーパーツって、どんな物なんですか?」


 そうログスとララファに言われシルフィアは難しい顔で二人をみる。


「ごめんなさい、それは言えないわ……いえ、言ってはいけないのよ」

「そうなんですね。でも、そうだなぁ……もし眷属になるなら信用できて尊敬に値する人がいいです」

「うん、アタシも……一生この人ならって思える人じゃないと考えられないかなぁ」


 それを聞きエルは、なぜかホッとしていた。


(これでいい……二人が真に尊敬できる人をみつければ……)


 そうエルが思っているとシルフィアは、とんでもないことを言いだす。


「そっかぁ……じゃあ、二人はエルのことどう思ってる?」


 それを聞きエルは、飲んでいた麦茶のような飲み物を思いっきり吹いた。


「エル? 大丈夫」


 そう言いもシルフィアは、なんとなく吹いた理由が分かっていたので棒読みである。

 だが、ログスとララファは本当に心配してエルをみていた。


「あ、ああ……ごめん……間違って器官に入ったみたいだ。もう大丈夫だから……」

「そうなんですね……良かったです」

「うん、急いで飲まないでも逃げないので……慌てないでね」


 そうララファに言われエルは苦笑する。


「あ、そうだ。さっきの、シルフィアさんの質問ですけど。エルは強いし凄いと思う……尊敬できるかと聞かれたら、できるって即答するかな」


 そう言いログスは、真剣な顔でエルをみた。


「アタシも、エルは凄いと思ってる。だって、アタシと歳がそんなに変わりないのに……強い。多分、かなり努力したんだろうなって思うんだよね」


 ララファはそう言いながら、エルを尊敬な眼差しでみる。

 そう言われエルは、なんか申し訳ないと思っていた。


(えっと……努力って、そんなにしてないし……なんて答えればいいんだ?)


 そう思いエルは天井をみつめている。

 それをみた三人は、どうしたのかと首を傾げた。

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