第13話夏が過ぎても
悠とひなたは、3年生で特進クラスに入る為に猛勉強していた。
最近二人は遊んでない。
図書館で二人並んで勉強していた。
「チンギス・ハーンの4人の子供の領地ってどう覚えればいいの?」
と、ひなたは悠に質問した。
「それは、『時計まわりに、オチャイルキ』」
「何それ?」
「時計まわりに、オゴタイハン、チャガタイハン、イルハン、キプチャクハンだよ」
「あぁ〜、分かったありがとう」
二人は辺りが薄暗くなっても勉強していた。
夏休みは終わって、9月の中頃。
すっかり日の落ちた時間に悠はひなたの右手を掴み歩いていた。
バス停のベンチに座り、二人はジュースを飲んでいた。
悠はコーラでひなたは午後ティーだった。
バスまで15分。二人は黙っていた。
すると、悠はの肩に腕を回し、身体を寄せてキスした。
少し長めのキスだった。
二人は離れて、照れくさそうに、
「ひなたの望み叶えたぞ!オレからのキス」
「……い、今じゃなくても」
「二人して、大学に進学して4年経って、オレが働いていたら、結婚しような」
「うん」
「ホントは夏休み中にキスしたかったけど、秋でも良いよね?」
「目標は叶ったからそれでいいよ。浮気しないでね」
「もちろん。ひなた一筋80年だよ」
二人は4年後、悠は銀行員、ひなたは保母さんになって結婚した。
二人の幸せを願いたい。
終
夏が過ぎても 羽弦トリス @September-0919
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