第7話そして、キス

ある朝の全校朝礼。

校長先生が話しを済ませ、退屈な時間が終わったと思いきや、校長先生が「2年2組、佐々木悠君壇上に」と、言う。

悠は何のことだろうと全校生徒が見守る中、階段を上り壇上に向かった。

すると、「表彰、佐々木悠、あなたの作品は第◯回吉井淳二コンテストにおいて、優秀作品として……」

校長は賞状を悠に手渡し、おめでとうと言った。

悠は僕が貰って当然だ!と、思いながら壇上から下りてクラスの列に戻る。


放課後。

「佐々木君、カッコよかった!」

と、ひなたはTOPPOを食べながらそう言った。

「あれは、僕の自信作でね、ゴルゴダの丘をイメージして描いたんだ。まぁ、僕が貰って当然だね」

悠は相変わらず、カフェオレを飲んでいた。カフェオレってもんは、牛乳のまろやかさとコーヒーの存在を控えめに主張する最高の飲み物だと悠は思っている。

「私の彼氏が、賞を取るくらい絵が上手いって、今度私、モデルになろかな」

「じ、じゃ、裸像を描いていいかな?」

「佐々木君、誰が見てるか分からない所で裸にはなれないよ……」

「じゃ、僕だけの前なら裸になれるの?」

ひなたはコクリと首を縦に振った。

悠は顔が赤くなる。

こ、これは、エッチを誘っているのか?

お、オレは短小包茎だぞ!だいたい、穴が分からない!コンドームはいつ着けるのか?

悠は、パニックに陥ってしまった。

「佐々木君!」

「は、はいっ!」

ひなたはいつもよりも、大きな声で悠の名前を呼んだものだから、悠は驚く。

そして、ひなたは悠の顔をまじまじとみて、顔を近付け、キスをした。

悠は、2度目の驚き。ひなたはこんな女子だったとは。

2人の初キスは、教室だった。

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