第2話

 急に何だ、と言われるかもしれません。どうでもいいことだ、と思われるかもしれません。しかし、もしこの答えを持っていましたら、どうか私に教えて欲しいのです。と言いましても、私は今、死にたいと考えているわけでも、生きるのが苦しいと感じているわけでもありません。ただ、生きる価値とはなにか、が漠然としており、どこかにふわふわ漂っていて、ずうーっとくっついてくるのです。おかげでふとした時に考えてしまいます。

きっと、これは私が生きていく中で一生湧き続ける問いなのでしょう。もしかしたら、この世界のように私を覆って包んでしまうものかもしれない。そしてそのまま、押しつぶされて、

きゅーっと小さくなって、点になって消えてしまうかもしれない。そう思うと、少しばかり怖くなります。私はそうなる前に自分で答えを見つけることはできるのでしょうか。いや、見つけたいと思っています。思っているのですが、見つかりません。答えを求めようと近づくと、ふ〜っと、シャボン玉のように飛んでいってしまうのです。おそらく、私はこの先もずっと、このシャボン玉とイタチごっこを繰り返すと思います。そして、その中でシャボン玉は、赤色になったり、黄色になったり、透明になったりしながら浮かんでいるでしょう。私はそれを追いかけることをやめないようにしたいと思います。誰かにバカにされるかもしれませんが、「生きる価値」はきっと、その人にとって大切なものだと思うから。もし、その大切なものを持っている、という人がいるならば、聞かせてください。あなたの「生きる価値」を。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

生きる価値 non @Kanon20051001

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る