生きる価値
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第1話
外では蝉が一生懸命、鳴いています。本当にその文字通り、一鳴きのために命をかけている強さ、儚さを感じます。私が書いている間も、彼らは短い一生を削って生きています。私はと言うと、今日は朝からのらりくらりと過ごし、まるで生気のない蛸のようです。どうしてこんな風か、まるで見当もつきません。昨日の寝る前は、明日は頑張ろう、と息巻いていたに違いありません。それでも昨日と今日の私は、中身が変わった別人のように、相反することをしています。現に、この文を書いている時すらも、どの紙に書こうか、どの文体で書こうか、と動き出す前にうーむ、と悩んでみたりしていました。先程、私はどうしてこんな風か、まるで見当もつかないと言いましたが、少し訂正させてください。これは、世間一般の人々からすると、どうしてそんなことを考える必要があるのか、時間の無駄ではないのか、と言われるような気がしたため、ただ、自分を取り繕うために言ってみただけです。誠に申し訳ありません。しかし、こうやって書いた後も、少しずつ後悔しそうなので早めに書くことにします。
「生きる価値」とは何でしょう。
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