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話し合いの結果、ハゲ頭は多額の請求をくだされ、親権はお母さんの方に渡った。
お母さんの方からお金を取らないのは私達の生活を考えてだと思う。
幼馴染みの方は、ご両親が多額のお金を肩代わりして請求することになった。
それなら私達はお父さんの方に行きたかった。
お父さんも本当は引き取るつもりではあった。
育ててきた愛情も、一緒に過ごした年月も本物だった、それと同じく10年以上も間裏切られていた事、本当の子供でないことが大きな障害になってどうにかなりそうだ。
引き取ったとして、悪くないとわかっていても、いつか私達を目の前にして暴力を振るうかもしれない。
お父さんはそれが怖い。
悔しそうに、涙ながらに唇を噛みながら、私達にそう言った。
それから私達はお母さんの両親、私達にとっては祖父母の家に私とお母さんは3日間だけ住むことになった。
祖父母も事情は全部知ってるから、どうしても自分の娘でも面倒は見れないと半分縁切り状態となっている。
それでも妹二人の事を引き取ってくれた。
あれから次女はお母さんにたいして酷い拒絶反応が起きてしまい、三女はまだ小さい為事情が分からず、簡潔にこうなったのはお母さんのせいだと言うと、お母さんを嫌うようになったからだ。
それと、まだ感情を我慢することに対して強くない二人はきっとお母さんとの生活には耐えられない。
だから私は祖父母に必死にお願いして引き取ってもらった。
それにお母さん達への復讐なんて二人には見せたくないしね。
それから3日後、私とお母さんは二人で祖父母が用意してくれた貸アパートに住み始めた。
あれから自分の招いた事なのにお母さんは元気がなく、私の前では無理して明るく振る舞っていた。
私も普通にいつも通りを装った。
何食わぬ顔でお父さんを騙してきたお母さんの娘なんだからやろうと思えば出来るに決まっている。
そうして復讐の準備をしながらお母さんと過ごしていると、どうやって突き止めたのかハゲ頭がアパートにやってきた。
中に入ると、私の頭を無遠慮に触って挨拶してきやがった。
私が無視を決め込んだ瞬間ハゲ頭がお母さんにいきなりキスをした。お母さんは抵抗することもなく、ハゲ頭を受け入れ抱きしめた。
私がいるにもかかわらず、そこにいないかのように。
もしかしたら本当にいないのかもしれない。
二人は部屋の奥へと行くと激しく音を立て始めた。
なのに、私は何故か玄関から動くことも声を上げることも出来ずに地獄の音を聴き続けた。
ハゲ頭が私の頭を無遠慮に触ってから帰った瞬間、体が自由になった。
きっとハゲ頭が何かをしたかもしれない。それが分からないと私は何も出来ない。
それから私は時折裏路地等にたむろしている非合法な奴等に近づきハゲ頭の事を調べた。
その結果ハゲ頭は、どうやらマッサージ師の前までは精神科医だったらしい。
マッサージもらしいが精神科医の時も女性に大人気だったらしい。
明らかに怪しい。
そこを掘り下げて聞いたところ、ハゲ頭と関わった女性は全員既婚者らしい。
その関係は今でも秘密裏に続いているらしい。
この時、私はハゲ頭が人間ではなく化け物に思えた。
そんなハゲ頭に私は催眠をかけたのかもしれない。
でも、ハゲ頭と面会は一切無かった。
いや、無いようにされたんだ。
時間があればやっていたのなら、お父さんがいない時を狙って家に来ていたっておかしくない。
いつかは分からないがその時私は何かされたのだろう。
きっとお父さんも。
そして、お母さんも。
だけど、お母さん。
お母さんだけはそれでも許さない。
お母さんとハゲ頭がいると誰にも幸せは訪れない。
真実を知ってもお父さんはきっと戸惑って本当に可笑しくなるかもしれない。
私達の幸せの為にもお母さん達にはいなくなってもらわないといけない。
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