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お母さんとハゲ頭は時間があれば、避妊せずに行為を楽しんでいたらしい。
責任を持つつもりがないなら避妊を必ずしろと保健体育でならった。
そんな常識もお母さんにはないのか。
それを12年も。
近くにいたのになんで私は気付かなかったかと思う。
でもそれだけお母さんはいつも通りだった。
でも、そのいつも通りとお父さんや私達のいつも通りは全く違っていた。
何食わぬ顔でお母さんはそのいつも通りを楽しんでいたのだ。
私達の人生を台無しにすることも考えず。
気持ちが悪い。
吐き気がする。
同じ血が流れてると思うと自分の体が汚く感じる。お父さんの血が半分流れていて本当に良かった…そう思えたら良かったのに……
『きっと、あなたとの子どもではないわ』
お母さんはどこか微笑ましく断言したように言った。
ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるな!!
この時、私はお父さんが廃人のように見えた。
次女の方は小学六年生という事もあって多少理解をしたせいか今にも吐きそうな程に顔色が悪くなっていた。
三女は幸いまだ五歳とあって私達の表情で良くないことが起きてることを悟ることはしていたが、内容はわかっていない。
でも、その方が良い事もある。
私達はこの場を離れ次女をトイレに連れて行った。
これが決め手となったのか、お父さんとお母さんの離婚が決まった。
勿論有責はお母さんだ。
お母さんはやはり理由がわからないと戸惑いの表情で離婚を否定したが、お父さんの意思の硬さに渋々了承した。
後々知ったがハゲ頭とお母さんのような行為は托卵と言うらしい。
けれど犯罪と言われると難しいらしい。
そうしてハゲ頭は釈放、幼馴染みは未成年ということで保護観察処分となった。
一応のDNA鑑定をした結果、私達三姉妹とお父さんとの血の繋がりは一切無かった。
納得がいかない。
なんでお父さんだけが不幸な目にあって、他の奴らは軽い処罰だけで済んでるんだ!!
可笑しい。
余りにも理不尽だ。
許さない。
絶対に、絶対に許さない。
お父さんを不幸したお母さん達をいつか絶対に後悔させてやる!!
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