ヘルハピリズム
翔丸
1
私は地獄を見ている。
目を背けても、かき混ぜるような水音や声が地獄を投影する。
「どうだ…ぐ…」
「んっ…あはっ♡ん…」
ある日、お父さんとお母さんが離婚した。
理由はお母さんの浮気。
発覚したのは、どことも知らない見るからに怪しい四十代位の長身のハゲ頭と体を交わらせていたからだ。
だけど、そのハゲ頭だけじゃなくその場には私の幼馴染みの男子までがいた。
場所は私達の家、発見したのは私。
その日は休日で、お父さんと妹二人と一緒に出掛けていた。
お母さんはその日は友達と遊ぶ予定があるからと行くことはなかった。
それが、そんな事をするとは知らずに。
発見した私は現実を受け止めきれずに発狂した。
それを聞きつけたお父さんは急いで叫び声のした方へ掛けつけた事で目の前の事実を受け止めざるを得なかった。
その後、叫び声を聴いた近所の誰かが警察を呼んだことで、ハゲ頭と幼馴染みは逮捕された。
お父さんはお母さんと二人で話をすると言って私達姉妹は二階にある部屋で待つ事にした。
というフリをして、一階のリビングでの話をこっそり聞いた。
お母さんとハゲ頭の関係は私が生まれる12年前から続いていたらしい。
けれど、お母さんは浮気を浮気と認めなかった。
違う、浮気と思ってなかった。
あれは友達とただ遊んでいただけ。
避妊しないのはその方が気持ちいいから。
自由に本能ままに○○○を楽しむだけの関係。
それをセフレというが、お母さんはセフレとは違うわと言っていた。
幼馴染みに関しては、まだ小学一年生位の頃に二人の行為を見ていたらしく、それが何なのか中学生になって理解した幼馴染みはその事実をお父さんに言うと告げたらしい。
お母さんはただの友達だから構わないと言ったらしいが、ハゲ頭の方は慌てふためきながら止めていたそうだ。
それをダシに幼馴染みはお母さんとの行為に参加したらしい。
それを聞いて私は初めて幼馴染みを憎んだ。
幼馴染みだけじゃない、ハゲ頭もお母さんだ。
その後もお母さんとは話にならず、お父さんは頭を抱えた。
しばらくして、ふと、疑問に思ったお父さんは私達について尋ねた。
あの子達は本当に俺と君の子どもなのかと。
私はこのおぞましいと思うほどの寒気を感じた。
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