第4話 動き出すタイムマシン
「ロッカー発見。」コヤマが叫ぶ。そう言えば山田先生、カギって言ってたな。僕は、アオを見た。「仕方ないな。」そう言うと長い舌をだして光を放った。コヤマとムラタが、顔を見合わせ「やっぱり、青カエルが話すのって、不思議だよな。それに、カギ無しでカギあけちゃうし。」「確かに。」「ガチャ」ロッカーが開く。古いアルバムが、ずらり並んでいる。
僕らは15年前のアルバムからコイが話していた人物を探した。「背が高くて弓矢を持っていた。」ムラタが、冷静に「それって弓道部を探せばいいんじゃないか?」そうだ。その通りだ。僕らは15年前の弓道部を見つけた。1人だけ背の高い、色白の細い部員がいた。「彼だ。」僕は確信した。みんながアルバムに集まる。「そうだな。」彼の名前は?山田?ヒロシ、ヒカル、カイ。「なんだ。この部活、山田が多くないか?」「だな。」僕は「弓道部の山田で決まりだ。」アオが、「なんなら、答える合わせに行く?」「行くってどこにだよ。」アオが「レン、君たちは、タイムマシンを知っているか?ここにある。」「えー?」ハモった。コヤマが「見たことないけど、時間移動できる機械のことだろう。ここにあるのか?」ムラタが「しかし、今の人間の科学力じゃ、作れない。」僕も「そうだな、映画の世界じゃあるまいし。人間にはまだ、作れない。」アオが真面目な顔で「そうだ。その通り、人間には無理だ。人間には、ね。僕は誰だ?」「アオ、君は青カエルだ。」「そうだ、カエルだ。僕に限らず、人間以外の生き物には不思議な力があるんだ。キツネや狸が人間の姿に化けたり。蝶が異世界への道案内をしたりね。タイムマシンの場所がわかるのは僕らカエルとへびだけなんだ。あの時レンが、へびから助けてくれた時もタイムマシンのことで争っていたんだ。」冷静なムラタが「へえー、レン、そんなことがあったんだ。それに昔からあるその話は、”事実”があったからこそ今の時代にも話が残っていると思うしな。ただ、タイムマシンの話は、はじめて聞いたけど。でもアオ、信じるよ。」おちゃらけのコヤマも真面目な顔で「そうだな、僕も信じる。すでに僕ら、青カエルのアオと話しているしな。」「そうだな。アオの話、僕も信じるよ。それでタイムマシンはどこ?」「ここだ。」アオはアルバムが、入っていたロッカーをさした。「このロッカー?」「そうだ。」コヤマが「ちょっと期待していたのと、違うかも。古い映画や昔のテレビの中のタイムマシンだ。」ムラタも「そうだな、僕も電磁波の光でワープするのかと想像していたよ。」僕は、僕もと思ったが、「古めかしい昭和タイプのタイムマシンも悪くない。僕は好きかも。」「そうだな」アオが、「行くぞ。」僕らは15年前に飛んだ。
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