第12話 終わりのない日常


1月14日  曇り、夜から雪が降る




 夢の中では私は何度も生き返っていた。


 悪夢のように痛みは何度も繰り返され、終りのない日常が続いた。


 殺されることはステータスだった。


 後ろに幽霊がいるのはもう慣れた。


 怖くないのだ。


 たとえ後ろを振り返って生首が浮かんでいても怖くない。


 なぜなら、それが私にとっての普通だから。




2月22日  朝は銀世界、でも、太陽がまぶしい




 人の顔も周りにあるものも溶けて見えるかと思えば、視線が濃くなって遥か彼方のものまではっきり見える。 私の視力は極端だ。


 そうかと思えば誰かに操られているようにも思える。


 頭の中が常に痛い。


 頭の中がカシャカシャと音が鳴っている。


 この騒音を誰か止めてほしい。




3月4日  胸がむかむかするし、鼻が腐りそう




 遠くから人の視線に怯えている自分を見ている。


 傍観者の私はちっとも視線が怖くないのだが、見られている私はかなり怯えている。


 最近人から笑われているように感じる。


 人の目が、人の声が数の渦となって私に襲いかかる。


 私はそうして否定される。


 殺人鬼呼ばわりされる。


 私は何もしていないのに。




 日にちが飛んでいる。かなりの気まぐれな日記だ。


 客観的に事実を書こうとしても感傷的な性格だから必然と可愛い言葉になる。


 これじゃ、下手くそな小説だ。


 症例を書くなら5W1Hで書くべきだ。


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