第32話オヤジの敵討ち

「でもリンバ神様が利夫さんを見つけてその息子に惚れたのよ。あなたの事よ?」

 一瞬たじろいだが、直ぐに体制を建て直し気持ちまで立て直した。

「親父が生きていたから俺が生まれたんだろ。?」自然の摂理を言ったまで、アサリは希望の眼差しを甲に向けていた。


 真っ暗な洞窟の様な眼窩底から涙が流れていた。

やがて日が沈み空には天井のLEDのダウンライトを設えた様に白や赤や蒼の銀河が瞬いていた。

 月の満ち欠けは間も無く十五夜だが、

「十四番目の月が一番好きだったわ。」大物歌手の様に歌うように呟いた。

 涙ながらにロマンスを語ったアサリは、「何で私を殺そうと思ったの?」

核心を突いて来た。

 甲は間髪入れず、「親父の仇を討ったまでや!」

メラメラと怒りの炎は燃え盛り、赤や蒼白いオーラが甲の身体を纏っていた。

「リンバが余計な事をしよって! 人間の摂理を動かしては為らんぞ生き神リンバ!」


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