第21話 完全犯罪!
笑っちゃうなあ!
あの時、天を仰いでいたのは泣いていたのでは無く、笑っていたからだ。右手を挙げて両目を押さえていたのは、日射が眩しかったからで、特に悲しかった訳では無く、昨日のナイターで巨人が阪神にノーヒットに抑えられた事を思い出していたからだった。
甲が、夢に導かれるように店が休みの朝、烏原の貯水池前に立っていた・・・。
市内の荒川・湊川の氾濫を抑える為、神戸市が苦肉の策で考え出した烏原ダムの開発造成は、烏原村を水没させる事によって湊川町や新開地に住む市民にとって安寧の地となった。
明治38年の事だったが、太平洋戦争の神戸空襲によって焼き出された市民は水を求めて烏原貯水池の底に沈んで行った。
戦後レジームに於いて貯水池周辺は手付かずのままだったが、昭和20年8月以降平和が戻った神戸市は、釣り人や子供の水遊びの事故が相次いでいた。
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