第18話 嗚咽
甲は亀石の甲羅の上で、俯き「お父ちゃん。」えっえっえっと、嗚咽を続けた。
西日が左目に眩しく涙に濡れた頬を乾いた風が乾かせる・・・。
ユックリと亀石の甲羅から降りて、トボトボと歩いた。
親子で来たのに・・・、子供だけ一人ぼっちで・・・、冒頭はあんなに嬉しくて楽しかったのに・・・。
今は悲しみが納まらなかった・・・。
夜に為ったらどうせ布団に入って父と「あの時は怖かったねえ。」と、会話をしているに違いない。と、高を括ったが、甲の想いは成熟しなかった。
アサリと父は湖畔に流れ着いて、うつ伏せに倒れていたからだ。
長い髪に藻が絡み着いていた。と、二人を発見した警官が言っていた。が、発見した時は二人だったのに女が消えて男の遺体のみだったと。
それ以降の行動や救助方法を一切覚えて無いと水難救助調書に記されていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます