第3話 お化け屋敷

脳内( )

口語「 」


SE//ジェットコースターが動く音。

SE//乗客の悲鳴と歓声


「ペロペロ。アイスクリームおいしい。はむ……」//軽いリップ音


「次はジェットコースター乗ろうって言ったけど、ちょっと並びそうだね。行列がすごいや。すぐ入れそうなアトラクションないかなあ」


 SE//パンパンと手を叩く音


「ごちそうさまでした。甘いものは脳を回復させるね」


(君はどこに行きたいのかな?)//ささやくように、両耳に息がかかる。


「あはは、ちょっとビクッてした! うーんテレパシーも完全回復、絶好調だね」


「行きたい場所は決まった? どれどれスマホ見せて。あ、待ち受けかわいい。私もこのアニメすきー」//右側に顔が近づき、呼吸音が大きくなる。


「…う……う、うん……」//無音に近い、困惑してる感じ。


「お化け……屋敷かあ……」//絞り出すように。声が少し離れていく。


「別のにしない? それきっとつまんないよ」//こざっぱりと言い切る。


「え……そんなに行きたいんだ……」//戸惑っている。


「こ、怖いわけじゃないよ! こ、こどもって言うなー! 私が小っちゃいからってそういう繋げ方良くないと思うな! ぜんぜん、ぜんぜん、ぜんぜんぜんぜんぜんぜん怖くないし!」//強がっている。


「知ってる? 私の誕生日って君より10日早いんだよ? その分お姉さんなんだよ? お化け屋敷なんてRTAで攻略しちゃうから。怖がる暇もなく、あっという間にゴールだよ」


「そうと決まればお姉さんがお化け屋敷まで連れて行ってあげよう。僕ちゃんはきっと怖いでちゅからね。はい、お手て出して」


SE//肩をぶつけながら左手を握ってくる。


「ふふふ」//不敵な笑み


(汗すごいね。こわいんでちゅね~)//両側から立体的に。


SE//歩く音

SE//おどろおどろしいBGM(小さめ)

SE//前後から並んでる人の声


 「……」


(何あの建物……こわ……)


「ストップ! ストップ! 何か聞こえたかな? それは気のせいだよ。何あの建物? 壊れそう!ってさ。えへへ、ちょっと私テレパシー疲れしちゃったから、君との脳内接続を一旦切るねっ!」//少し焦った感じ。


SE//おどろおどろしいBGM(大きめ)


「アー……タ、タノシミダナぁ……マッタク、コワクナサソウダナぁ…」//かなりの棒読み。


「へー……学校の雰囲気なんだね……ふ~ん、ふ~ん。いいじゃん……ひっ……」//怯えている。


「う……そんなんじゃビックリしないかなあ」//右からだんだん近づいてくる。


「う……何この扉……。ヌルヌルする……。こ、子どもだましだなあ……」//耳元でささやくように。


SE//おどろおどろしいBGM(かなり大きめ)


「ごめん……もう無理……もう限界……叫びたい……」//ブツブツと呟くように。


「だめ……我慢できない……繋げちゃうねっ! 声出したいっ!」//声を絞り出すように。


(こわい! こわい! こわい! こわい!こわい! こわい! こわい! こわいこわい! こわい。ホント無理! 離れないで! 手を離さないで!)/かなり焦っている。


(キャー!! 助けて! 何よそれぇ……。聞いてないよぅ……。えぐ……えーん……こわいよう……もうやめてよう……えっぐ……)そこまで大きな声でない。半泣き状態。


(うー…… そこっ! 絶対何か出てくるよね? 出てくるよね? 出てくるよね?

気持ち悪いから! ほんと気持ち悪いから! お願い……出てこないでぇ……)//力尽きるように。


(えーん……こわいよう……許してぇ……)//泣き


SE//明るいBGM。周囲の声。


「はー…………」//安堵するように。


「ありがとう、ずっと手を握っててくれて。君が守ってくれなかったら、どうにかなっちゃってたかも」


「あはは、やっぱり強がっちゃだめだよね。やっぱりお化け屋敷みたいのは慣れないなあ」


「泣いちゃったこと、みんなには内緒にしててね。高校生になってお化け屋敷で泣いちゃったなんて、さすがに恥ずかしいから」//声が左から近づいてくる。


「さっきまでの君、すっごくかっこよかったよ……本当にありがとう」//色っぽくささやくように。吐息が強くかかる。


「さて、次はジェットコースターに乗ろうか! まだまだ楽しもうね!」







 








 

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