置かれた場所で咲きなさい。
@hyuga_natsu
第1話 置かれた場所で咲きなさい。
優しくいたい。強くいたい。
幸せでありたい。人を幸せにしたい。
人間は欲求の塊だ。
実際、私だってそうだ。
願わくば誰よりも幸せでありたい。
ちょっとの幸せじゃ満足できない。
そんな考え方は乏しいとか不幸の元だとか、そんなことを言う人がいるけど、私はこれでいい。
欲のない人間なんて逆につまらない。
置かれた場所で咲きなさい。
私はこの言葉が大嫌いだ。
自分の咲く場所くらい自分で決めたい。
今のままで十分だと錯覚して立ち止まりたくはない。
諦め、ここが私の場所だと思い込む。
それは甘えだ。
隣の芝生に手を伸ばす勇気がなかっただけのことだ。
聞き分けのいい、いい子じゃない。
そう思っていた。ずっと。
ようやくわたしにもきたのだった。
置かれた場所で咲きたいと思う時が。
最後まで、この場所でただ綺麗に咲いていたいと。
もう頑張らなくていいよと自分に優しくしたいと。
ただ、ふく風のままに揺れ。
ただ、穏やかな顔をして死んでいきたいと。
真っ白な部屋の片隅の花束を見て思った。
私はもう、十分すぎる人生を送ったのだと。
置かれた場所で咲きなさい。 @hyuga_natsu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。置かれた場所で咲きなさい。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます