第63話 階層間移動するモンスター


「あの女狐を連れて行くつもりか、あれは俺のものだ」


 正面から向き合い、拳が飛んでくると思うと、鬼人は俺に向けてそう宣言してきた。

 人型なのでもしかしたらとは思っていたがやはりヴァンパイアと同じようで喋るようだ。

 言葉の内容からして、どうやらダンジョン内のモンスターを思って、俺に敵愾心を持っているように見える。

 変わったモンスターだ。

 社会性の片鱗のようなものを感じる。


「俺は別にその狐には用はないな」


「じゃあさっさと俺にクワレロ」


 会話を試みようと思ったが、腰に据えつけられた刀が飛んできた。

 俺の頭に当たると刀はバラバラに砕ける。

 社会性はないようだ。

 その結論を出すと、獲物が破壊されたことで虚が生まれたので先ほどまで道中のモンスターで練習していた魔力が濃い場所の指突きを行う。

 中ボスクラスと思われる鬼人にも有効なようで、そのまま絶命した。


 先ほど鬼人の口から出た狐を念のために探すがこの層には見当たらない。

 基本的にモンスターは階層を移動しないので、ここで鬼人が狐を話に出したことが気になる。

 考えられる可能性としては、下層から自由に移動できる特殊なモンスターがいることだが。



 ーーー


 よろしければ、フォロー、いいね、星お願いします!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る