第50話 配信の変遷


 エクスプレイから来た配信者の付き添いはかなり多い。

 ざっと見た感じ10人以上いる。

 1人で配信することが基本的なスタイルであることを考えれば、異常な状態だ。


「あら気づいたみたいね」


 俺が気づくとエルメスCEOはニヤつき始め、エクスプレイの社員たちが持ってきた荷を解き始めた。

 中からは見たことのない形をした従来よりも小型のドローンが現れた。

 あれが今回の勝利したら渡すとされていたものだろう。


 前聞いた話では動きを正確に取ら得られるということだが、たくさんのスタッフが用意されているところを見るとまだ調整が完全ではないようで、傍にはもしもの時の予備のものとそれを調整するエンジニアらしき人たちがいる。

 技術力が高いという評判の彼らが、ここまで粘っているところを見ると、かなりスペックが高いことは想像に難くない。


「新型のスペックは今までのものとは比べ物にならないわよ。後の歴史でドローンの特異点と言われるのは間違いないわ」


「配信者が良く見えるに越したことはないですが、それが今回の配信を決するとはにわかには考えられませんが」


「決まるわよ。このドローンとアメリカ最強の攻略者があれば。従来とは配信のあり方は変わったの。今はリスナーたちはルックスやカリスマじゃなくて、配信者の攻略能力に重きを置いてる」


「剣道さんの配信を見てそう思ったんですか?」


「いや、イトウ、あなたの配信よ。あなたの配信が多くのリスナーに攻略能力を使った配信の素晴らしさに気づかせたの」


「俺の配信がですか? 俺は昔、配信者として活動していた時はなかず飛ばずでしたが」


「今と昔じゃ。あなたを取り巻く環境は大きく違うわ。ここで証明したあげましょう。攻略能力の優れたものが配信を制する時代がきたことを」


 大仰なことを言ってくれる。

 ただ数度の配信で変わるのなら誰も苦労はしないだろう。

 環境は違いがあるのは確かに認めるが、ただリスナーに認知されたからと言って、泣かず飛ばずだった俺の配信が今まで不変だった環境が大きく変わるなど考えられない。

 本当にそんなことが起きているのならひどい皮肉だ。

 焦がれた頃には全く来ず、断たれた後に自分とピッタリあった配信が主流になる時代が来るなど。


ーーー


よろしれけば、フォロー、いいね、星お願いします!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る