第3話
祖父の説得もあり、お陰でなんとか停学で済んだ。
祖父はしばらく家で一緒に暮らす事になった。
「とりあえず停学期間が終わるまで一緒にいるからな」
「分かった。」
あれから、妹は部屋を出ない。
たまに歩く音が聞こえるから、流石にトイレはしているだろうけど、俺は会わないようにしている。
部屋をノックする。
「ごめん、お兄ちゃんだけど、ご飯作っておいたから、扉の前に置いとくね」
けど、ご飯はそのまんまだった。
流石にこのままだとまずいので、祖父がネット注文で買ったご飯を届けてくれた。
お風呂は入ってない。
祖父の話曰く、体を拭くシートを届けてくれているらしい。
俺は妹をこんな状態にしてしまったことに深く申し訳なく思った。
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そして、停学処分が終わり、俺は今日から登校する。
男子一人だから俺の噂は直ぐに広まり、生徒に睨まれて、汚物を見るような目で見られ、恐怖されて朝から辛かった。
ロッカーは汚れて、机には花瓶とラクガキがある。
予想はしてたので洗う道具は持ってきているので使って洗う。
「優くん、私信じてたのに」
「違うんだ、春さん。俺は痴漢なんてしてない」
「聞いたよ。そうやって全力で否定してるけど」
「えっ、」
「ごめんね、女の子を傷つける人とはもう話せないかな」
「違うんだ、あの時本当にただ横を通っただけで」
春さんは席に行ってしまった。
夏が入ってきた。
「優、最低だね。」
「違うんだって本当に」
「・・・言い訳なんて聞きたくないよ。」
「夏、本当に違うんだって」
思わず涙が出てしまった。
「泣く、今まで自分の為に泣いたこと無かったよね。」
「・・・これは」
「変わったね、優・・・もう私の知ってる優じゃない見たい、話しかけないで」
「・・・なつ」
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それからも散々だった。ケシカス投げられたり、急にシャーペンで刺されたり、物はゴミ箱に入れられたたりと散々だった。
部活は俺は今禁止期間なので行けなかった。
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「ただいま」
「おかえり、どうだった?」
祖父が学校のことを聞いてくれてる。
その日のことを愚痴った。
祖父は転校をするか聞いたが、夢の為に入学したし、転校先で痴漢の話が広がったら意味がないと話した。
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