【洋画】セッション【2014年】

音楽 ヒューマンドラマ


あらすじ


アンドリューは偉大なジャズドラマーを目指してアメリカ最高峰の音楽学校に入学する。ある日の授業の時教室に学院最高レベルの指導者フレッチャーが現れ、彼を自分のバンドチームに引き抜く。

早速アンドリューはフレッチャーのバンドチームで練習に参加するが、そこは地獄だった。

フレッチャーは鬼という表現すら易しい教官だった。罵声や暴力が当たり前の指導に心が折れかけ泣くしかなかった。しかしアンドリューはそれをばねに猛特訓を続ける。しかしなかなか認められず最初のコンテストの役目は楽譜めくり。

ただ自分のミスから出番が巡ってきてチャンスをものにした。

これを機にメインドラマーとなるアンドリュー。しかし相変わらず練習は過激で指から血をにじませる毎日。


実はこの映画自分がアマプラに入る前にツイッターで「お勧めのアマプラで見られる映画~選」で流れてきてずっと気になってた。

当時確かアマプラクレカでしか登録できなかったはず。しばらくしてアマギフで登録できるようになって早速この映画見たのを覚えている。


ストーリー

一見真面目で向上心のあるアンドリューが鬼指揮官の元成長していく物語のように思えるが(もちろんその側面はある)単純ではなかった。

フレッチャーの鬼畜っぷり、しかも合間に人間性を見せるのがまたコントラストが効いてておっかない。

最後はフレッチャーによってアンドリューはバンドから追い出される→フレッチャーの過去の所業を学院に報告→フレッチャー追放→フレッチャーの報復の流れ。

フレッチャーの報復に対するアンドリューの意趣返しをもって完結。

どんでん返し?とまではいかなくとも予想に反する落ちではあった。


キャラクター

テレンス・フレッチャー(J・K・シモンズ)

怪演で見せてくれる。実際彼の演技で取れてる賞もかなりあるはず。見てるときは全く気が付かなかったけどこの人サムライミ版スパイダーマンの編集長なんですよね。あのコメディーなキャラがここまで変わるなんて。

彼の卒業した教え子(アンドリューの兄弟子)が事故死してそれを惜しむシーンがあるが後にフレッチャーの行き過ぎた指導によるうつ病が原因とわかる。

ちなみにこの映画の批判として、最後のアンドリューの成功をもって根性論を肯定するってのがあるけどアンドリューが成功者?ってなりますね。


アンドリュー・ニーマン(マイルズ・テラー)

本作主人公。ジャズにあこがれて父の指示もあり音楽学校で頑張っていくが偶然か必然かフレッチャーに出会い目を付けられる。シモンズの演技ばかり目が行くが彼の感情爆発寸前の演技もかなりの物。文字汗が飛び通り血のにじむ努力。血まみれの手を氷水に突っ込むシーンは痛々しい。

先程も述べたが彼の最後の意趣返し、最後アンドリューは笑ってますけどこれたぶん壊れてますよ。


映像

映像というよりは脚本、構成について一番好きなのがラストのシーンでアンドリューが嵌められ舞台を去った後に父親が「お前はよくやったよ」と息子を慰めるシーン。

この言葉をかけられたアンドリューの表情が「は?」って感じなんです。そうして再び舞台に戻る。ここの演出が好き。

芸術家、クリエイターの宿命とも取れる周囲の人間の無理解や軋轢(アンドリューの親戚や彼女)これがあって自分の理解者が憎むべき師弟だったというのも。


音楽

ジャズの映画なんですけど、ジャズ全くわかんないので評価できないですけど。

ジャズの愛好家からは「こんなのジャズじゃない」ってよく言われてます。ということは自分みたいにジャズに詳しくない人のほうが楽しめるってことです。

テーマ曲扱いの「キャラバン」だけは覚えました。


総評

この映画全然お金かかってないんですよ、300万ドル。

脚本と演技で勝負した映画でそれで成功している。

自分あまり邦画は見ないし理由としては期待できないからなんですけど、こういう映画なら日本でも全然作れると思いますね。でもスポンサーも広告も苦労しそうではある。




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